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オオカミ少女は恋をしました。

第1話 - オオカミ少女は恋をしました。

2019年10月14日

#恋愛

#学園

#告白

#先輩後輩

#短編

#コメント待ってます

もにこ

佐々木由依

（今日もかっこいい…！！）

佐々木由依

（素敵だな。）

佐々木由依

（どうしてあんなにメガネが似合うんだろう…。）

私は最近

放課後毎日

図書室に通っている。

それは____。

先輩

こんにちは。

先輩

今日もいたんだ。

先輩

本当に熱心なんですね。

一目惚れをしたから。

佐々木由依

あ、ど、どうも！

先輩

…童話、ですか。

先輩

好きなんですか？

佐々木由依

はい…！

佐々木由依

最近、ハマりまして…

先輩

おもしろいですよね。

先輩

童話から学ぶこともありますし。

先輩

ちなみに僕は

先輩

オオカミ少年という話が好きです。

佐々木由依

オオカミ少年…

先輩

しってますか？

佐々木由依

あ…

佐々木由依

村の少年がオオカミが来たと嘘をついて

佐々木由依

村の人を困らせて

佐々木由依

そしたら本当にオオカミがやってきてしまって

佐々木由依

それを村の人達に伝えたのに

佐々木由依

信じてくれなくて

佐々木由依

少年がオオカミに食べられちゃうお話…ですよね？

先輩

さすが。

先輩

よくわかってますね。

先輩

あれは少し可哀想な話ですよね。

先輩

少年の自業自得なんですけどね。

先輩

やっぱり嘘は良くないってよくわかる話です。

佐々木由依

……

佐々木由依

で、ですよねっ…！

佐々木由依

あっ…もう下校の時間だ

佐々木由依

今日は帰りますね。

先輩

そう…ですか。

先輩

さようなら。気をつけてくださいね。

佐々木由依

さ、さようなら！

佐々木由依

…はぁ。

佐々木由依

（先輩は嘘をつかない人が好きなのかな…）

佐々木由依

（だとしたら、私は…）

本当は本なんて好きじゃない。

オオカミ少年だってたまたま知っていただけ。

名前も知らない先輩に会いたくて

毎日、通っているだけだ。

佐々木由依

私は…嘘つきだ。

佐々木由依

（こんなんじゃ、先輩に嫌われちゃうよ。）

先輩は私に毎日話しかけてくれた。

本の話をするとき

たまに見せる笑顔がかっこよくて

ただそれだけで

恋に落ちてしまったのだ。

佐々木由依

（私ってチョロいのかな…。）

佐々木由依

（先輩のこと全然知らないのに）

佐々木由依

（どうしてこんなに好きなの…）

一ヶ月前__。

佐々木由依

（もう本の内容丸写しして課題終わらせちゃお…）

佐々木由依

（あ！コレいいかも…）

佐々木由依

ふっ！

佐々木由依

ん〜！

佐々木由依

と、とれない…！

先輩

コレですか？

先輩

どうぞ。

佐々木由依

えっ…

佐々木由依

あ、ありがとうございます。

先輩

いえ。

先輩

では、僕はこれで。

佐々木由依

あ、…はい

佐々木由依

（ど、ドキッとなんか…して…）

佐々木由依

（ヤバ……。）

翌日。

佐々木由依

（き、来ちゃった…。）

佐々木由依

（今日もいるかな？）

佐々木由依

（そういえば図書室って来たことないかも…）

佐々木由依

（こんなに広くて、静かだったんだ。）

先輩

あれ？昨日の…

佐々木由依

あ！

佐々木由依

ど、どうも…！

先輩

今日はどうしたんですか？

佐々木由依

え、えと…あの

先輩

？

先輩

…あ、この本ですか？

佐々木由依

え！？あ、は、はい！

先輩

これ、おもしろいですよね。

先輩

主人公が色んな世界に迷って、旅をして…

先輩

不思議な世界観で読んでいてワクワクしますよね。

佐々木由依

（笑顔が…かわいい！）

佐々木由依

わ、わかります…！

佐々木由依

（そんな本、全然知らないけど。）

先輩

そういえば続編が出たんですよ。

先輩

借りますか？

先輩

ちょうど持っていますし。

佐々木由依

あー、えっと…

先輩

読まないんですか？

佐々木由依

……

佐々木由依

よ、読みます！

佐々木由依

読むので、貸してください！

先輩

！

先輩

わかりました！

先輩

読んだら感想、ぜひ聞かせてくださいね。

佐々木由依

…はい。

佐々木由依

（なにそれ…。）

佐々木由依

（そんな顔されたら…）

佐々木由依

（あんなの、好きにならない方がムリだよ。）

佐々木由依

（あのあと徹夜して読んで、感想言ったんだっけ…。）

佐々木由依

（やっぱり、私が本を読むなんて向いてないんだよ。）

佐々木由依

（でも、先輩が好きなんだもん。）

佐々木由依

（本も好きにならなくちゃ…）

佐々木由依

（好きに…好きに…！）

佐々木由依

（でも、私…）

佐々木由依

（これでいいのかなあ…。）

放課後。

佐々木由依

先輩、こんにちは。

先輩

こんにちは。佐々木さん。

佐々木由依

あの…

先輩

はい？

佐々木由依

私、考えたんです。

佐々木由依

オオカミ少年のこと。

先輩

オオカミ少年の…こと？

佐々木由依

はい。

佐々木由依

彼は、寂しかったから…

佐々木由依

誰かに構って欲しかったから

佐々木由依

…嘘をついたんです。

先輩

…それは、そうですね。

先輩

僕もそう思います。

佐々木由依

私も…私もそうだから。

先輩

…え？

佐々木由依

先輩のことが気になってるから…！

佐々木由依

かまって…話したくて…

佐々木由依

だから、嘘…ついたんです。

佐々木由依

私…本そんなに好きじゃないんです。

佐々木由依

読むのも得意じゃないし。

佐々木由依

先輩にオススメされた本も徹夜してまで読んで…！

佐々木由依

先輩に感想いいたくて…

佐々木由依

だから、毎日ここに通って

佐々木由依

本読んでるふりして…

佐々木由依

本当は先輩のことずーっと見つめてて、

佐々木由依

……

佐々木由依

とにかく、私は…

佐々木由依

先輩のことが、好きなんです…。

佐々木由依

先輩の名前も知らないのに…

佐々木由依

こんなにも好きなんです！！

先輩

………

佐々木由依

だ、黙らないでなんとか言って下さいよ…！

先輩

あ、ごめん…！

先輩

告白なんて…初めてで。

先輩

その、どうすればいいか…。

佐々木由依

先輩は…私のこと

佐々木由依

嫌いになりましたか？

先輩

え…

佐々木由依

嘘つきなんて嫌いですか…

先輩

僕は、佐々木さんのこと

先輩

嫌いなんて思ってないですよ。

佐々木由依

慰めは嫌です…。

先輩

慰めじゃないです！

先輩

正直、佐々木さんが本を好きじゃないなんて思わなかった。

先輩

いつも熱心に読んでいたし。

先輩

それにわざわざ読んでくれるなんて

先輩

いい人じゃないですか。

先輩

僕だったら読まないで適当に感想言いますけどね。

佐々木由依

……

先輩

それに、僕の話も聞いてくれて…

先輩

僕は、そんな佐々木さんのことが好きですよ。

佐々木由依

え…/////

先輩

そんな本が好きじゃないだけで僕が嫌うわけないじゃないですか。

先輩

今、ちょっと可愛いって思いました。

先輩

こんなにも僕のこと考えてくれていなんて…。

先輩

僕も…佐々木さんが好きです。

先輩

一生懸命でちょっと抜けてるところが。

佐々木由依

…抜けてなんかないです。

先輩

そうやってちょっと負けず嫌いなところも。

佐々木由依

先輩の…いじわる。

先輩

でも僕もまだ佐々木さんのことで知らないことだらけです。

先輩

好きなこととか教えて欲しいです。

佐々木由依

…！

佐々木由依

私も知りたいです。

佐々木由依

なんだか本を読む前のドキドキ感に似てます…

先輩

本、ちょっとは好きになってるんじゃないですか…

先輩

じゃあ、お互いに質問しましょう。

先輩

佐々木さんからいいですよ。

佐々木由依

私は

佐々木由依

先輩の名前が知りたいです…！

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