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逢魔時に散った恋

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逢魔時に散った恋

4 - 逢魔時に散った恋

2020年10月28日

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翌日

篠崎 美優

麗奈~!

教室に入るなり美優が

突進するような勢いでこちらに走ってきた

坂戸 麗奈

な、なに…?!

篠崎 美優

なにじゃないよ!

篠崎 美優

昨日大丈夫だったの?!

坂戸 麗奈

き、昨日…?

篠崎 美優

ほら、光輝の事だよ!

坂戸 麗奈

あぁ…その事…

坂戸 麗奈

って、なんで知ってるの?

篠崎 美優

もう全校生徒の噂になってるよ!

坂戸 麗奈

え、何で…?!

篠崎 美優

何か光輝が警察に連れていかれるの見た人がいるんだって

坂戸 麗奈

そうなんだ…

美優の後ろからひょこっと桜が顔を出す

佐藤 桜

麗奈も可愛いんだから気をつけてね

坂戸 麗奈

あぁ…うん

篠崎 美優

ほんと光輝って最低だよね

篠崎 美優

こんなか弱い乙女を襲うなんて!

篠崎 美優

ほんと、何かあったら頼りなよ!

坂戸 麗奈

ありがとう…!

2人が味方をしてくれて

少し気持ちが楽になった気がした

佐藤 桜

にしても…麗奈

坂戸 麗奈

なに?

佐藤 桜

誰に助けてもらったの?警察官?

坂戸 麗奈

ん~、それもあるけど…

事情説明中…

坂戸 麗奈

って事なの

篠崎 美優

へぇ、清水カッコイイじゃん!

坂戸 麗奈

うん、まぁ…ね?

坂戸 麗奈

(そう言えば…)

坂戸 麗奈

(学校で星くん見たことないなぁ)

坂戸 麗奈

(どこにいるんだろ…)

放課後

坂戸 麗奈

(星くん…)

坂戸 麗奈

(好きな子とかいるのかな)

私の頭の中にはいつも星くんがいた

今思えばもう好きになっていたんだと思う

坂戸 麗奈

(チャットでもしてみようかな)

そう思い目線を前に向けると

星くんが少し前を歩いていた

坂戸 麗奈

(あ、星くんだ!)

坂戸 麗奈

星く───!

私は星くんの名前を呼ぼうとして

途中でやめました

だって星くんは綺麗な女の人と

2人で楽しそうに歩いていたから

坂戸 麗奈

(あの人…誰だろう)

坂戸 麗奈

(凄く綺麗な人…)

坂戸 麗奈

(顔も可愛いし、スタイルもいい)

坂戸 麗奈

(勝ち目ないじゃん…)

その場に呆然と立ち尽くしていると

星くんが私の方にくるりと振り返った

坂戸 麗奈

あ、えっと…

私はかける言葉が無く

目を泳がせていた

清水 星

麗奈さん

清水 星

偶然だね、こんな所で

坂戸 麗奈

うん、そうだね…

星くんの隣の女の人は

私のつま先から頭の先までじろりと

舐めるように嫌な目付きで見てきた

坂戸 麗奈

えっと、そちらは…?

清水 星

あぁ、紹介するよ

清水 星

こちらモデルの志賀紗良

志賀 紗良

どうも

志賀さんから放たれた声は

酷く冷淡で明らかに

私を見下していた

坂戸 麗奈

あ、どうも…

私は愛想笑いを顔に浮べる

志賀 紗良

貴方、星とどういう関係?

坂戸 麗奈

友達です

志賀の圧力に負けまいと

私も胸を張りできる限りしっかりとした声で返事をする

志賀 紗良

あら、そう

坂戸 麗奈

逆にそちらはどういった関係で?

清水 星

あぁ、俺たちは…

志賀 紗良

家の合鍵も持ってる関係だよね~

私に話しかける時とは違い

甘ったるいねっとりとした声で返事をする志賀さん

坂戸 麗奈

あ、合鍵…

志賀 紗良

そう、そのくらいの仲なの

志賀 紗良

だからさ、邪魔しないで

坂戸 麗奈

…………

清水 星

紗良、そこまでは頼んでないだろ

志賀 紗良

あぁ、ごめん

2人は意味ありげな会話を交わした

坂戸 麗奈

(どういう事…?)

清水 星

まぁ、それじゃあ

清水 星

またね、麗奈さん

志賀 紗良

さよなら

坂戸 麗奈

あぁ、はい…

訳が分からずしばらく立ちつくしていた

坂戸 麗奈

(なんだったんだろ…)

坂戸家

私は家に帰ってからもモヤモヤしていた

坂戸 麗奈

(さっきの志賀さんって彼女?)

坂戸 麗奈

(それとも幼なじみ?)

坂戸 麗奈

(でもモデルって言ってたよね…)

坂戸 麗奈

(あぁ~もう!)

ベッドに入ってからもなかなか寝付けず

図書館に行くことにした

図書館

坂戸 麗奈

(あの部屋行こっと… )

例の部屋の扉を開ける

すると意外なことに電気がついていた

部屋の真ん中に目を向けると

星くんがそこにいた

坂戸 麗奈

星くん…

昼間のこともあり少し気まづかった

坂戸 麗奈

何でここに…?

清水 星

眠れなくて

坂戸 麗奈

私と同じだね

清水 星

そっか

清水 星

もしかして昼間のこと気になってる?

坂戸 麗奈

う~ん…

坂戸 麗奈

気になってないって言ったら嘘になる

清水 星

つまり気になってるんだよね

坂戸 麗奈

まぁね

清水 星

へぇ~、そう

星くんは眉毛をピクッと動かし

口角を片方だけ上げた

清水 星

嫉妬?

坂戸 麗奈

(違うとは言えない…!)

坂戸 麗奈

さ、さぁ…

清水 星

あはは、嫉妬って事だね

坂戸 麗奈

…うん

清水 星

まぁあれはのちのち意味がわかるよ

清水 星

ちなみに付き合ってはないからね

坂戸 麗奈

ほんと?

清水 星

うん、ほんと

坂戸 麗奈

そっか…!

自分でも表情が明るくなったのが分かった

星くんもそれに気づいたのか

クスッと小さく笑った

その時の星くんは顔が火照って見えた

清水 星

そう言えば、あれから大丈夫?

坂戸 麗奈

光輝くんの事?

清水 星

そう

坂戸 麗奈

うん、今のところはね

坂戸 麗奈

最近は話してないかな…

清水 星

そっか、安心した

坂戸 麗奈

心配してくれてたの?

清水 星

当たり前でしょ

坂戸 麗奈

そっかぁ、嬉しい…!

その後は2人で雑談をした

星くんとは会話がよく弾んだ

会話が途切れたことは無かった

清水 星

もう12時だよ、そろそろ帰る?

坂戸 麗奈

うん、そうしようかな

坂戸 麗奈

ちょっと眠くなってきたし…

清水 星

じゃあ、送ってくよ

坂戸 麗奈

ありがとう

図書館を出て、帰路につく

夜の街は静かで物音1つしないほどだ

まるで私と星くんの2人だけが

世界に取り残されたようだった

逢魔時に散った恋

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