逢魔時に散った恋

数日後

この日は日曜日

部活もなくソファーでだらりと寝転がっていた

1時間後

2時間後

いつもならすぐ帰ってくるはずの返事も

この日ばかりは既読もつかないほどだった

私は少し考えた末、図書館に行ってみることにした

ぱっぱと準備を済ませ

図書館へ出かけた

この日は雲1つなく

小学生が絵の具をベタ塗りしたような青空だった

…………

図書館

私はまた例の部屋に行くことにした

顔だけを扉の隙間から入れ

中を確認する

が、そこには誰もおらず静寂が広がるばかりだった

私の声は誰にも受け取られず

自分の足元に転がった

この日は星くんが居ないことに

少し違和感は感じたものの

特に気にはとめ無かった

…………

だが、その次の日もまたその次の日も

1週間経ってもチャットの返事はなく

図書館に来ても星くんの姿はなかった

私は今日も図書館へ来ていた

通い続ければまた星くんの声が聞けると思ったから

またあのふにゃりと顔を緩めた笑顔が見れる

また、沢山話ができると思ったから…

でも私の想いも虚しく

星くんが現れることはなかった

…………

私が大きなため息を着いた時…

背後から聞きなれた声がした

私は急いで後ろを振り返る

そこには星くんが立っていた

いつもと変わらない笑みを浮かべながら

星くんはひらひらと私に手を振る

星くんは何も言わずに目を細め微笑む

星くんは言いずらそうに顔を歪める

その言葉は単純で

それでいて深い意味が込められていた

私は予想外の言葉に立ち尽くしてしまった

何か言いたい、だけど言葉にできない

口が震えて動かない

そう答える星くんはいつもとは別人のように

冷酷な表情で目に光はなかった

この時の星くんは少しつらそうな顔をしていた

私が言葉を言う暇もなく

星くんは去っていった

何も考える暇がなく涙が溢れてくる

私は色んな感情が

複雑に絡まった糸のように

ごちゃごちゃになっていた

私はその場にへなへなと倒れ込んだ

誰もいない空間に呼びかける

だが返事が返ってくることはなく

ただ静寂が辺りを包み込んだだけだった