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緊張した空気が部屋に漂う。

突然マネージャーに事務所に 呼び出された。

行けばふみくんも呼び出されていたようで、2人で会議室に通された。

入れば、社長が座って待っていた。

楓弥

あ、おはようございます!

社長

おはよう、悪いね急に

楓弥

いえ、

社長

ちょっと話があって、まぁ座って

その言葉に少し動揺しながらも、 俺たちは社長の前に座った。

社長

君たちのグループ、BUDDiisは今、
非常に注目されている

社長

そこで、もっと多くのファンを獲得するために、少し特別な戦略を考えたんだ

社長の言葉が、俺の頭の中で反響する。

ふみくんは目を細め、少し考え込みながらも、落ち着いて社長を見つめていた。

社長

単刀直入に言う

社長

……2人には恋人同士になってもらいたい

その言葉が空気を一気に変えた。

何だそれ、と思ったけど、言葉が続く。

社長

まぁ、本当に付き合えとは言わない、

社長

『ビジネスカップル戦略』だ

社長

君たち、2人で本当に付き合っているように見せてほしい。もちろん、ファンにはビジネスだとは言わない

社長

本当にお互いを好きだという形でメディアに登場し、イベントも一緒にこなす

楓弥

え、

どう反応すればいいんだろう。

そう思って隣を見れば、

ふみくんは静かにうなずき、 社長に向かって言った。

史記

わかりました、やります

その言葉が、信じられなかった。

ふみくんがこんなにあっさり受け入れたことに、俺は正直驚いている。

まさか、 こんなに簡単に決まるなんて…。

楓弥

本当に…付き合ってるみたいに?

その言葉に、社長は頷いた。

社長

あぁ。
ただし、これは絶対に本気だとファンに見せることが重要だ

社長の言葉が頭の中で 何度もリピートされる。

『本気に見せろ』

そんなの、簡単に言わないでほしい。

でも、隣に座るふみくんは相変わらず落ち着いた顔で、少しだけ口元を緩めてる。

…どうしてそんな顔ができるんだろ。

社長

もちろん、SNSでの匂わせ、オフの目撃情報も含めて”リアル”を演出してもらう。少し過激なくらいが、話題になる

社長の目がふみくんと俺を順番に見ていく。どこか試されているような視線だった。

社長

2人に任せるから、
準備ができ次第動いてくれ

社長

まずはツーショットの投稿から始めよう

そう言って、社長は立ち上がる。

それを合図に俺たちも立ち上がり、 軽く会釈して部屋を出た。

会議室のドアが閉まる。

途端に、俺の肩から一気に力が抜けた。

楓弥

……はぁ

思わず漏れた溜息に、 隣からふみくんの声がした。

史記

ビックリした?

振り返ると、 ふみくんは少し笑っていた。

まるで、全部分かってたかのように。

楓弥

そりゃしますよ…いきなりだし

史記

だよな

史記

俺も最初は『マジか』って思ったけど、逆にチャンスかなって

楓弥

チャンス…?

ふみくんは、歩きながらポケットに手を突っ込んで、少し遠くを見るような目で言った。

史記

グループのためにもなるし、俺たちの関係がファンにとって特別なものになるなら、それって悪くないと思う

その言葉に、 なんて返せばいいのか分からなかった。

ふみくんは“俺たち”って言った。

でも、俺はまだその“特別”の意味が よく分からない。

胸の奥が、少しざわついた。

ふみくんの「本気」って、 どこまでが演技なんだろう。

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