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撮影とリハーサルの日。
事務所からの指示で、“付き合ってる風”の自然なツーショットを撮ることになり、リハの前に撮影することに。
カメラマンがセッティングしてる間、俺とふみくんはソファに並んで座ってた。
ふみくんはいつも通り。
リラックスしてるように見える。
史記
思わず顔を向けると、ふみくんが俺の肩に腕を回して顔を乗せた。
…近い。 ていうか、近すぎる。
史記
楓弥
パシャ、パシャッと シャッター音が響く。
俺の顔、絶対こわばってる。
こんな距離で、ふみくんと近づくこと、あんまないし。
史記
史記
ふみくんがそう囁いて笑うから、 俺の耳が熱くなる。
…なんなんだよ、ほんと。
撮影が終わって、カメラマンが引き上げたあとも、変な感覚。
楓弥
史記
さらっと笑うふみくんの言葉に、 なんか少し胸がチクリとした。
俺は、これも“演技”だって ちゃんと分かってる。
けど…
楓弥
愁斗
スタジオに戻ると、しゅーとくんがにやけながら近づいてきた。
史記
ふみくんが軽く答えると、 しゅーとくんの目が光った。
愁斗
ケビンくんもソファから 身を乗り出してくる。
ケビン
俺は口を挟めず、みんなのテンションにただついていくだけだった。
楓弥
言い表せない違和感が、 胸の奥にひっかかる。
嬉しいような、恥ずかしいような、 でもなんか違うような。
愁斗
しゅーとくんの言葉に思わず手で隠す。
楓弥
ふみくんは笑って見てるだけ。
楓弥
そのとき、静かにスマホをいじってた祥が、ふと口を開いた。
祥
祥
スタジオが一瞬だけ静かになった。
史記
ふみくんはさらっと答える。
祥
祥はそれ以上何も言わなかったけど、 なんか妙にひっかかった。
俺はまだ“プロとして演じる”ってどういうことなのかも、ちゃんと分かってない気がする。
ただ、ふみくんの顔が自然に俺の肩に置かれたときの、あの感覚だけは…
頭からなかなか離れなかった。