幻影です。
※
幻影です。
幻影です。
幻影です。
幻影です。
幻影です。
洗濯したてのベッドへ 身を投じる。
洗いたてとは言うものの
頑固な汚れは落ちる気配も無い。
柔軟剤の香り付きのシーツと
零した珈琲の仄かな匂いが合わさって
ガイ
慣れない匂い同士で寝られたら凄いだろう
そんな他愛も無く、ぼぅっと
何も描かれてない空(天井)を見上げる。
仰向けになった所で、
目を瞑って意識を手放そうとする。
すると
「やめろ」
と、言わんばかりに
知らない世界、
異世界へと飛ばされた。
ガイ
ガイ
なんて馬鹿な事を思い浮かべていたのだろう。
いまさっき
そもそも寝ようと、目を瞑っていたでは無いか
※
ガイ
部屋で眠ろうとしていた筈が
海岸が見える
信号の中心に
寝転がっていたのだ。
なんと恥ずかしい
ガイ
また目を瞑る
ざあ…ざあ……
と
さざなみの音がする。
どうせ目を瞑れば何れ現世へ戻る
だが
矛盾で抱えられた現世に戻ったって
面白くもなんともないだろう
ならばここで
束の間の探索/休息すれば
まだ楽しいのでは?
※
目を開けて探索しようとする。
ガイ
ガイ
思わず舌打ちしてしまう
何か行動を起こそうとすると
戻されるのは仕様か?
ガイ
ガイ
よく聞くが
宿題をしようとしたら
親に「やれ」と言われる奴に似ている
………気がする
完全に今さっきので
眠気が覚めてしまったので
ガイ
とっ
とっ
とっ
と
珈琲を垂れる用にしか 使っていないコップは
縁がほんのり茶色だった。
顎とコップを持ちあげ
そのまま一気に飲み干す。
ガイ
ガイ
ガイ
そうなのだ
珈琲を降り注ぐ時に
一滴
机へと飛んで行ったのだ。
それは
態々自ら、
独りになりに行く人間のようだった。
だがそれも長続きはしない。
いずれは他の所へ回収される。
この滴も例外ではない。
キッチンから新品の
無臭の布を取り出して、
拭う。
ガイ
一歩一歩
足元をきちんと踏みながら前進。
※流石にこんなだだっ広くありません
鏡から反射して
自分''擬''が立っていた。
どんなに似ていても
生命を宿していないのなら
それはゴミだ。
シャカシャカとマラカスの様な音を鳴らし
丁寧に歯を磨いていく
※
ガイ
ガイ
大きな溜息を吐き
タイミング悪過ぎて
最早笑ってしまいそう。
ガイ
寝るモードだった身体を叱咤し、
真っ暗な、
照明も無い暗闇をただ突き進む。
___これじゃ、俺が幽霊みたいだな。
ぼんやり考えながらも、
ただ進む。
前進するのはこんなに簡単だが
人を変えればそうでも無い。
足が動けない人に
「歩け」
と言うのは無理難題だ。
それを理解しない馬鹿ばっかり。
勿論、皆がみんなではないが。
ポッ、と
目の前の照明が付く。
暗闇に慣れてしまった目を凝らす。
と
ガイ
ガイ
その声に反応したかのように、
「ソレ」は此方に歩いてくる。
ぺと
ぺと
ぺと
ぺと
ぺと
と、嫌な音が鳴る。
ベチャッ
先程の音と
一線離れた音が鳴る。
ガイ
走ろうとするが
金縛りに合ってしまい、 思う様に動けない。
ガイ
ガイ
何かが居た「筈」の場所には
誰も、
何も無かった。
ただ一つ
合ったとするならば、
嫌な音の発生場所には
深紅の赤が残されていた
コメント
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※この作品をつくった人の友人はワイです※誇らしき
見てくれてありがとうございます。 連載物ですね。 生温い目で見てくださいませ。 連載物を書いてる最中にもネタがあれば短編物も書きます。 それではさらば。