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第二十三話 「咲かないことも、咲くことだ」
七都市が並び立つ。
その前に立つのは、「第九」=山梨。
山梨
山梨
山梨
沈黙。
誰もすぐには答えられない。
だが、福岡が一歩踏み出す。
福岡
福岡
福岡
福岡
山梨
山梨
山梨
怒りとも、哀しみとも言えない熱が、山梨の声を震わせた。
人格α(灯)の意識は、ほとんど失われつつあった。
全システムを掌握したβ(咲良)は、最終フェーズへと進めていく。
《HYDRANGEA最終選別フェーズ:咲選(さくせん)開始まで 残り10分》
東京(β)
東京(β)
東京(β)
東京(β)
愛知が無線で言い放つ。
愛知
愛知
愛知
その言葉に、大阪が笑う。
大阪
大阪
大阪
山梨の能力――
咲かない花を一度だけ“開花させる”という装置。
《開花制御:ON》
管制本部に電磁フィールドが展開され、
七都市の身体能力が次第に奪われていく。
山梨
山梨
山梨
愛知の体が重くなり、福岡が床に膝をつく。
広島も拳を握ったまま、前を見つめる。
広島
咲良の支配する鏡室の中、人格α=灯が、ふと目を開く。
東京(α)
東京(α)
東京(α)
東京(α)
東京(β)
東京(β)
東京(β)
東京(α)
東京(α)
東京(α)
一瞬、空気が揺れる。
東京(β)
東京(β)
東京(α)
東京(α)
その瞬間、管制フィールドが弱まり始める。
宮城
宮城
北海道
北海道
北海道の叫びに呼応するように、七都市が再起。
大阪の膝が、再び地を蹴る。
福岡の両腕が、制御コードを弾く。
広島が再び、拳を握り直す。
愛知の目に、炎が宿る。
愛知
愛知
七都市、同時に咲選(さくせん)中枢部へ突入。
東京αとβ、人格の最終分離
第九(山梨)と七都市の最終対話
全員で咲くことは、可能か――
終焉前夜
ラスト2話。
最終回を前に、すべての“咲き方”が明かされる。
次回
第二十四話 「咲選」
next→♡450
完結迄お楽しみください。
コメント
2件
後2話で終わっちゃうのか… なんかさみしいです🥲 次回も楽しみにしています!! 頑張ってください✨️