えー、西暦1999年のことです
うちで飼っていた当時6歳のオカメインコが死にました
昨日まで驚くほどげんきだったし、死因もまさかのカカオ中毒
うちの家族の誰かが殺したんじゃないかって話になって
インコを可愛がってたお母さんは血眼になって犯人探してて
正直くっそ怖かったです!
_______
志杏
_______
志杏
志杏
_______
_______
_______
_______
志杏
志杏
_______
_______
志杏
当時は納得出来なかったけど、まあ私が疑われるのは当たり前だった
私はお母さんに贔屓されているおこめに少しやきもちを妬いていた
鳥相手に馬鹿馬鹿しいけどね
それもあって私はおこめが鳴いても無視したり、うるさいともってる漫画とかをおこめのケージに投げたりした
それに他者に対してもあまり良い態度をしなかったし
どこか人間として欠落していた
そんな私は、ある時からおこめを亡き者にしようと考えていた
おこめ
志杏
私はカカオの多く入った外国産のチョコレートを取り出す
ご存知かもしれないが、鳥類にとってカカオは毒になる
それにカカオの多いチョコなら、確実におこめを殺せると思ったのだ
私はケージにチョコレートを入れようと手を前に出す
おこめは不思議そうに首を傾げている
志杏
手が震えて動かないや
私はどこか人間性が欠落してる
でも、それも中途半端だ
なんでおこめを殺せなかったかって言うとね
おこめは私が小さい頃から一緒にいて
家族みんなで大切に育ててきた
おこめは生き物として生まれて、神様とかから多分幸せになる権利をもらってる
それを、私の手で剥奪するなんて恐ろしかった
私には、おこめの生をここで終了させる権利なんかないって思ったんだ
志杏
ごめんね、殺そうなんて考えなければよかったよ
お母さんには器物破損罪として疑われているし
もしかしたら、ケージのどこかにカカオが付着してしまったのかもしれない
そんな少量では死なないと思っていたけれど
思ってたよりも呆気なかった
いっその事私がおこめを殺した殺害者ですと言えたらどれほど幸せだろうか
なぜ人間は嘘をつけるのだろうか
嘘のない世界に生まれたかったな
そんな感情が込み上げてきて、私は部屋で一人泣いた
コメント
3件
【注意】 この物語はフィクションです おこめは実際にいたオカメインコですがまだ何かと元気です