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20☓☓年_____

ーーー

アザミさん、そろそろ出番です

アザミ

…わかった。

ーーー

エントリーナンバー1、

ーーー

無敗の女王。

ーーー

今年も、勝利はこの人の手に!?

会場が盛り上がっている。

ーーー

冷静クール、通称氷の女王こと

ーーー

アザミの登場だぁっー!!

外に出た瞬間 瞬く光が私を照らす。

一歩前に踏み出すと、 そこは私の舞台で、見慣れた世界。

私はレーシングドライバーだった。

ーーー

アザミさんっ!

振り返るとそこには 玲香 という名の少女が立っていた。

玲香

デビューのレースで
一緒なんて嬉しいです。

アザミ

そう。

アザミ

けど、私が勝つわ。

彼女は新人で今年デビューした レーシングドライバー。

そして、今日がそのデビュー戦。

玲香

いえ、絶対「何が何でも」
先輩には勝ちます!

先輩と言っても、 年は1歳しか変わらない。

彼女は18歳、 私は19歳。

同じチームに所属していて、 私のほうが早くデビューした。

アザミ

勝てるなら勝ってみなさい。

アザミ

レースはそんな甘くないわ。

玲香

っ…あ、あの、

ーーー

アザミさん、時間です、

スタッフが後ろから走ってくる。

アザミ

では、また後で。

アザミ

健闘を祈るわ。

玲香

別れ際、何か呟いていたが 聞き取れはしなかった。

控室に戻り、書類を確認する。

アザミ

で、どうなったの?

ーーー

秘匿性が高いアプリが
使われていて…

ーーー

まだ特定できていません。

アザミ

…そう。

暫くの沈黙が流れる。

ーーー

…ほんとに出るんですか?

アザミ

何が?

ーーー

レース…
殺人予告まで
出ているんですよ、

書類にはSNSのスクリーンショットと 殺人予告の投稿。

アザミ

関係ないわ。

アザミ

勝てばいいのよ。

そう ジャケットを羽織り、 部屋を出た。

  

アザミ

…玲香は?

ーーー

玲香さんなら、
先ほど向こうに行くのを
見かけました。

アザミ

…そう。ありがとう。

相棒の所に行くとそこには 玲香 がいた。

アザミ

何しているの。

玲香

あ、先輩

玲香

せっかくだから
写真を撮ろうと思って。

アザミ

私は許可してないわ。

玲香

だから先輩が来るまで
待ってたんです。

玲香

写真、撮っていいですか?

玲香の後ろには 私の相棒でもあり、愛車でもある マシンがあった。

アザミ

好きにして。

玲香

!ありがとうございますっ

その場を離れるとき、 ほんの一瞬 嫌な予感がした。

一瞬しただけだ。

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