マホと出会う前、まだ私がひとり旅をしていた頃
たまたま料理屋で相席なった年若い天狗からある話を聞いた
秋季に咲いた桜の花、徒花(あだばな)の話を──
まれに季節はずれの花が咲き乱れることがあるらしいのは知っていたが、目に触れたことはない
天狗も実際見るまでは信じられなかったと言っていたのを覚えてる
彼岸花も咲いており、その日はちょうど満月でそれもあいまって神秘的な美しさが漂っていたという
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
山麓に着いたふたりは旅籠屋で宿を取り、夕餉まで部屋にくつろいでいた
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
そのあと他愛のない話をしていると夕餉の知らせが来た
翌日、旅籠屋をあとにしたタキとマホは南へ向かった
そして森の中に入ってしばらく経ったあと、迷ってしまった……
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
地図をにらみつつも、自分たちがどの辺りにいるのか見当がつかない……
夕暮れが近づく
タキ(妖狐)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
きょろきょろ
タキ(妖狐)
枯葉と枯れ枝を集め、それに火を付ける。ぱちばちと燃え出した
タキ(妖狐)
辺りはすっかり暗くなった
マホ(鬼)
マホ(鬼)
マホ(鬼)
大きな魚をかかえている
タキ(妖狐)
マホ(鬼)
マホ(鬼)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
マホ(鬼)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
たき火に小枝を焚べる
しばらく沈黙が続き、ぱちぱちと乾いた音が鳴った
タキ(妖狐)
最初に口を開いたのはタキだった
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
タキは天狗から聞いた話を思い出しながら話し出した
コメント
8件
徒花は初めて知りました。 別の言い方だと狂い咲きとも言うらしいですね。 秋に咲く桜……見てみたいなぁ🥰