あなたが、記憶を無くしてからもう1ヶ月。
私が死ぬまであと2日、まだ伝えれてない。大切なこと…。伝えなくちゃ。
佐々木陽斗
うわぁぁぁぁ!
看護師さん
陽斗くん!
医者
定期的に記憶を忘れる日だ。
高野芽衣
そうですか。
看護師さん
めいちゃん、大事なこと伝えなくていいの?
高野芽衣
今は、言えない…。明日ゆうよ。
看護師さん
そう。
佐々木陽斗
お母さん。
お母さん(陽斗)
ん?
佐々木陽斗
俺さ、誰か大切な人を忘れてる気がする。
佐々木陽斗
俺の彼女か誰か。
お母さん(陽斗)
?!めいちゃんのこと?
佐々木陽斗
かな?分からない。
私の中にある腫瘍は、大きくなりすぎてしまい、安楽死の道しか無くなってしまいました。
お母さん(めい)
めい、大丈夫?
高野芽衣
ちょっと目が見えないかも。
お母さん(めい)
目の神経が押されてるのかもね。
高野芽衣
お母さん、陽斗のところに行きたい。
お母さん(めい)
行こうか。
高野芽衣
うん
お母さん(陽斗)
はい
高野芽衣
こんにちは
お母さん(めい)
どうも
佐々木陽斗
誰ですか?
高野芽衣
っ、初めまして、高野芽衣です。
お母さん(めい)
めい?
お母さん(陽斗)
めいちゃん?
佐々木陽斗
高野芽衣?お母さん知ってるの?
お母さん(陽斗)
知らないわ。
高野芽衣
実は、あなたに話したいことがあってきました。
佐々木陽斗
僕に?なんですか?
高野芽衣
私、本当は、あなたとあったの初めてじゃありません。むしろ、あなたは、私の大切な人でした。
佐々木陽斗
え?どうゆうことですか?
高野芽衣
それは、言えません。ですが、私は明日死にます。
佐々木陽斗
え?
高野芽衣
だから、最後に大切だった人に伝えたいことがあります。これからゆうのは、私との約束事です。必ず守ってください。
佐々木陽斗
わかりました。
高野芽衣
1、記憶を忘れないように、その日にした事やあった人の名前を毎日書いてください。
佐々木陽斗
はい。
高野芽衣
2、私よりいい人と幸せになってください。
佐々木陽斗
え?はい。
高野芽衣
最後です。
高野芽衣
3、私の事は、思い出さないでください。忘れてください。泣泣
佐々木陽斗
え?
高野芽衣
これだけです。
佐々木陽斗
あの…。もしかして、僕の彼女ですか?
高野芽衣
…。
佐々木陽斗
あっ!あなたは、めい!思い出した!めいだ!
高野芽衣
っ!!忘れてください!
佐々木陽斗
忘れられるわけがない!僕の彼女だから!僕、全部思い出した!
佐々木陽斗
めいとデートしてた時、事故にあったんだ。
高野芽衣
やめて!
佐々木陽斗
嫌だ!一生、めいを忘れたりしない!死んじゃダメだ!
高野芽衣
っ!泣
そんな事言わないで…。私を忘れて。
お母さん(めい)
めい…。
お母さん(陽斗)
めいちゃん。
高野芽衣
あなたの中に、私がいないまま、死にたい。泣泣
陽斗には悲しんで欲しくないんだよ。
佐々木陽斗
大丈夫だよ、悲しまないよ。めいとの思い出、笑って思い出すよ!
高野芽衣
ねぇ、なんで忘れてくれないの。私が辛くなっちゃうじゃない。泣泣
佐々木陽斗
めい。好きだよ。誰よりも、めいのこと愛してる!
高野芽衣
陽斗…。私も好き!愛してる!泣泣
佐々木陽斗
泣くなよ!俺まで泣いちゃうじゃん泣泣
お母さん(めい)
泣泣
お母さん(陽斗)
泣泣
医者
高野芽衣さん、安らかにお眠りになられました。
お母さん(めい)
めい〜!泣うわぁぁぁぁ〜
佐々木陽斗
おばさん、めいは、幸せだったと思います。おばさんの所に生まれて。泣泣
お母さん(陽斗)
そうね、陽斗のゆうとおりだわ、めいちゃん幸せだったわよ。泣泣
お母さん(めい)
みんな、ありがとう、陽斗くん、めいを思い出してくれてありがとう!
高野芽衣、悪性単細胞種のため
享年16歳
で亡くなった。僕の中にはまだめいの存在がある。たとえ、彼女が出来て、結婚しても、ずっとめいを忘れない…。
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