ティッカーが奇跡的に装置を起動させたことで、ゆっくりと回転していた歯車が急激に加速する。
リオル
……おい、本当に大丈夫なのか?
ジャミル
分からない……だが、もう止められる状態じゃない。
装置の頂点にある金属の突起が光り、雷のエネルギーを蓄えていく。そして――
ズガァァァァン!!!
強烈な雷が砂時計へと落ちる。雷の衝撃で砂時計のガラスが砕けるかと思われたが、砂の層だけが不思議な光を帯びながら激しく揺れ動く。
カリム
うおおっ!?本当に砂時計に雷が落ちた!?
砂時計の内部で、雷を受けた砂がまるで生きているかのようにうねりながら、ゆっくりと形を変えていく。
ジャミル
……これは、文字か?
砂が形作ったのは、古代の航路に関する象形文字だった。リオルが持っていた古代航路の地図と見比べると、それはまさに“次の目的地”を示していた。
リオル
……間違いねえ。この模様、俺の地図にあるやつと一致してる。
カリム
ってことは、ここに次の冒険の手がかりがあるってことだな!
ジャミル
……だが、そう簡単には終わらない気がする。
ジャミルの言葉を裏付けるように、地下室全体に低いうなり声のような振動が走る。
リオル
……今の音、嫌な予感しかしねえな。
ジャミル
……おそらく、これが本来の仕掛けだ。
カリム
いやいや、まさか――
ガコンッ!!
突如、部屋の四方の壁に開閉音が響き渡り、あちこちに設置されていた隙間から大量の砂が一気に流れ込んでくる。
カリム
うわああ!?なんだこれ!?砂が押し寄せてくるぞ!
ジャミル
砂時計に雷が落ちたことで、部屋そのものが埋まる仕組みになっているんだ!
部屋の奥の壁も崩れ始め、さらなる砂の奔流が押し寄せる。床の歯車が完全に埋まりかけ、足場がどんどん沈んでいく。
リオル
ちっ、長居はできねえな!出口はどっちだ!?
ジャミル
入口まで戻るのは無理だ!天井の通気口が唯一の脱出ルートだ!
カリム
いやいや、あんな細いところ本当に通れるのか!?
リオル
選択肢はねえ!やるしかない!
to be continued