葦日 監禁・ストーカー表現 微粒子レベルで月日
日向
お、お邪魔します!
月島
いらっしゃい、来る前に言ったけどさ
月島
親いないんだからそんな堅苦しくなくていいよ。
日向
あっ、そう?
日向
じゃ、早速リビング行きまーす!
月島
……単細胞にあんな事言うんじゃなかった。
日向
ほい、適当にコンビニでお菓子買ってきた!
日向
マスカットボンボンとか、グミとか、甘い系!
月島
ありがと、勉強のお供にする。
日向
それと、着替えてきていい?
月島
ん、どうぞ。
日向
……さて、着替えますか!
日向
(着替えるって言っても、寝巻きに変えるだけだけど)
服を脱いだ時、カラン と何かが 落ちる音が聞こえた。
日向
ん……何か落とした?
日向
なにこれ? 小さいプラスチックのケース??
日向
なんなの…………って、
俺に一つの考えが浮かんでくる。 ……盗聴器?
日向
(そうだったら怖い、怖すぎる。)
日向
(着替えたら、月島に確認しよう。)
月島
ん、おかえり……何かあった?
日向
その……多分、盗聴器が仕掛けられてた。
月島
……は?
月島
……………は!?
日向
いや、着替えてる時、コレが落ちて……
そう言って、疑わしい物を見せる。 これで真相が分かる。
月島
……これ、小型の盗聴器、
日向
………うそ
月島
写真検索したけど、同じのがヒットした。
月島
日向、て事は家にストーカーが……
日向
やめて。
日向
お願い、そんなの聞きたくない。
日向
こんなの壊してしまおう、ね?
月島
それは賛成、
日向
どうやったら壊せるか、分かる?
月島
機械だから、水をかけたらショートすると思う。
月島
それか、金槌とか?
日向
水は感電するかもだし、やめとく。
月島
ただ、金槌なんて………
日向
……あっ! 彫刻刀とかない?
月島
あるけど……
日向
それと、タオルが欲しい。
月島
……? わかんないけど分かった。
日向
(破片が飛び散らないようにする為に、タオルでくるんで。)
日向
……よし、月島は別室に行ってて。
無言で行ってくれた。 多分、考えが伝わった。
日向
さて……やるか。
彫刻刀を突き立てる。 その度に鈍い音が部屋を反射する。
勢いよく振りかぶっても、 まだ凹んだだけ。
ただ、こんなもの、あってはいけない。 その一心で腕を振る。
腱鞘炎を発症そうなくらい 突き立てた頃、やっと…
日向
やっと……粉々に出来た。
スマホに届くはずの盗聴器の音声が 届かない。
最後に送られた音声は、 物を打つ、鈍い音と、
初恋の人の、 乱れた呼吸だけだった。








