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いじめ禁止法

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いじめ禁止法

7 - いじめ禁止法7〜人生で一番最悪な日〜

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2020年03月18日

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次に俺たちを乗せた護送車が向かったのは、都内の公園だった

刑務官

降りろ

護送車から降りる

刑務官

次の仕事は、動物の死骸処理だ

刑務官

1列に並べ

刑務官

今日は、5件!動物の死骸処理を行う

刑務官

まず、初めはこの公園だ。

刑務官が俺の腹についた紐をひっぱりながら歩く

浩二

なあ、せめてここでは腹の紐をはずせよ

刑務官

ダメだ

浩二

だって、目立つじゃん

ここはたくさんの民間人が利用している都内の公園。

主婦

あの人達、なんで警官と歩いてるの?

主婦

ほら、例のいじめ禁止法で捕まった子達じゃない?

主婦

ああ。馬鹿よね、法律まで出来てんのに人をいじめるなんてね

主婦

ああいう子たちとは、絶対につるまないようにって子供に教育しなきゃね

人とすれ違う度に俺たちは白い目で見られる。

刑務官

止まれ!整列!点呼

A

1

B

2

C

3

刑務官

Dお前の番だぞ!

浩二

よ、よん

刑務官

よし、全員いるな

刑務官

今から、このベンチの下で死んでいる鳩を排除する

刑務官

このねずみ色の大きな袋に死んだ鳩を入れろ

刑務官

AとBは駆除、CとDはベンチ周りの消毒を担当しろ

浩二

はい

刑務官

鳩を袋に入れる前に黙祷をする。目を閉じて手を合わせろ

黙祷を終え、俺はCと協力して、消毒液の入った霧吹きと雑巾を使いながら消毒を行った

鳩の死体処理にかかった時間はわずか5分だった

1件目の仕事が終わった。次の仕事場所へ護送車で向かう

浩二

あの、

刑務官

なんだ?

浩二

この鳩どうするんですか?

浩二は足元に置いてあるねずみ色の袋を指しながら言った

刑務官

都内の動物霊園に届ける

浩二

あ、なるほど

刑務官

もういいか?

浩二

あ、もう一つ質問が

刑務官

なんだ

浩二

お昼ご飯は?

刑務官

そんなもんあるわけないだろ

なんと、いじめ禁止法を犯すと昼ご飯を貰えないらしい

まあ、食欲なんか湧かないからいいけど…

刑務官

もう少しで着くぞ

次は墓地にやってきた

和尚

いやぁ、参りましたよ。人様の墓石の前で猫が死んでてね

刑務官

今すぐ駆除致します

和尚

よろしく頼むよ。今案内する

真夏の墓地には蚊がブンブン飛んでいる

浩二

あっ、また刺された

刑務官

静かにしてろ

和尚に案内されて、猫が死んでいると言う墓石の前に来た

浩二

なんだこれ

俺達が目にしたのはあまりに凄惨な光景だった

死んだ猫の周りにはハエが無数にたかっている

浩二

これは無理だよ

A

グロテスクだ

刑務官

仕方ないだろう。誰かがやらなきゃいけないんだ

浩二

ハエ除け用のスプレーとかないんですか?

刑務官

あるわけないだろ

刑務官

今度はAとBが消毒

まさか?!

刑務官

CとDが死骸駆除だ

今日は人生で一番、最悪な日だ

死刑囚の性処理をして、動物の死体を駆除して、しかもこんな日常が一カ月も続く

俺の精神いかれちまうよ

涙を堪える為に下唇を強く噛み締め、大きなねずみ色の袋を広げた

Cは割と冷静だった。銀色の大きめなトングで猫を持ち上げて、俺が広げている袋に猫を入れる。

動物の死骸駆除だ。もちろんマスクや手袋は装着する。しかし、マスクを着用していても動物の腐敗臭は鼻腔を刺激した

浩二

お、終わりました

刑務官

ご苦労

こうして2件目の仕事は終了した

2件目以降はそこまで印象に残る光景はなかった。

墓地での猫の死骸駆除が一番辛かった

続く

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