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えま
狐
狐さんは音楽を流し始めてホールドを組んだ
狐
そう言うと狐さんはステップを踏み始めた
私は理由がわからないままそのステップに合わせて踏むしかなかった
狐さんは慣れないながらも頑張ってステップを踏んでいる
曲が終わると狐さんは満足気に微笑んだ
えま
私はまだ半分混乱している
狐
朝のあれをみられてたのね…
狐
えま
狐
…?
狐
狐
狐
微笑んでそう言う
えま
狐
狐
私達はもう一曲踊った
誰かとじゃないと完成しない社交ダンスを私を励ますために狐さんはわざわざ覚えてくれたのだろう
朝に踊ったときよりずっと楽しかった
久々に誰かと踊るのが苦じゃなかった
踊り終わると狐さんは静かに口を開いた
狐
えま
えま
狐
えま
狐
狐
えま
こうしてちょっとずつ狐さんに教えることが決まった
狐
狐の部屋
狐さんの部屋はホテルの一室のように整理整頓がしっかりされていた
狐さんはお茶を用意してくれていた
狐
えま
お茶を飲んでため息をふぅっとつく
狐
えま
狐
狐
えま
数日分の着替えと必要なものしか持ってきてなかったから色々と持ってこれるのはとても嬉しい
狐
えま
狐
えま
狐
狐さんは立ち上がると私の前に手を差し出した
狐
なんだかどこかの国の王子様のように見える
私は手を取るとそのまま流れるようにエスコートされた
ベッドに入ると狐さんはふふっと笑った
狐
えま
えま
狐
狐
えま
お前まだ生きてんのか
早く消えろよ
またこの夢…
お前のせいでお姉ちゃんは踊れなくなったというのにお前は楽しそうに踊るのか
あぁお姉ちゃんの方がずっと上手だったのに
私だって同じくらい実力はあった…はず
そんなことどうだっていい
お前のせいで明るい未来が潰されたお姉ちゃんが可哀想
お姉ちゃんだってそう思っている
私のせい…で…?
お姉ちゃんはそんなこと言わない…
周りはみんなお前のせいだと思ってる
お前じゃなくてお姉ちゃんが生きてれば良かったのに
…っ
早く起きて
この声を誰か消して止めて…!
誰かっ…!
助けて…
えま
まだ夜中の1時…
狐さんは…寝てる…
起こさなくてよかった…
少し外の空気吸ってこよう…
私は狐さんを起こさないようにそっとベッドから抜け出した
えま
日中はあんなに暑いのに夜だとまだ少し肌寒い
でも落ち着くためにはこれくらい寒くてもいいのかもしれない
あの夢を見るたびに飛び降りてしまおうか考えてしまう
誰も私を望んでいない
飛んだほうが自由で楽しいのかもしれない
そう思考が巡る
えま
えま
えま
えま
ふとただ声一つの歌詞が出てきた
精一杯大丈夫なのを演じなきゃ
あの悪夢に屈しないためにも…
狐
えま
ふわっと上着が肩にかかる
びっくりした…
えま
狐
狐
えま
狐
そう言うと狐さんは隣に座った
狐さんは何かを喋るわけでもなくただ隣に座っていた
まるで無理して喋らなくていいと言っているようで何も聞かないけど一人じゃないよと言っているようで安心した
けれどその沈黙を破ったのも狐さんだった
狐
私に着せるための上着は持ってきていたけど自分の分は持ってきてなかったみたい
えま
狐
なんか変に色々考え過ぎていたのだろう
今は一人じゃないのだから大丈夫
そう思いながら部屋へと戻った
えま
借りていた上着を狐さんに返した
えま
さっきくしゃみしてたから体冷やしたかも…
狐
狐
えま
狐
えま
狐
狐
私達は再びベッドに入った
狐さんは子供を寝かしつけるように背中をトントンしてくれた
そのまま私は少しだけ寝ることができた
えま
狐
目を開けると狐さんは私を軽く抱いたまま寝ていた
夜中付き合ってもらったしこのまま寝かせておこう
今日は代わりに朝ご飯を作ろう
そっと私と枕を交換して部屋を出た
リビングに行くとまだ誰も起きていなかった
あ、狐さん起きたら心配するだろうからミュートメッセージだけ入れておこう
えま
よし
朝ご飯何にしようかな…
冷蔵庫の中をぐるっと見てオーロラサンドとハッシュドポテトを作ろうと決めた
約20分後
狐
狐
リビングでメールを読んでた私に声をかけてキッチンへと行った
えま
慌てて狐さんを追いかけて声をかける
狐
狐+えま
もぐもぐ🍴
狐
えま
狐
狐
お互いを信頼しあってるからこそできることなんだな
私もここでそんな風になれるかしら
狐+えま
狐
狐さんは空になったお皿を持ってキッチンへと向かった
私も出かけるための準備を始める