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抜け駆けしちゃいました！？

第1話 - 抜け駆けしちゃいました！？

200

2018年09月15日

#恋愛

れいん‪☺︎‬

佐倉深緒、中三

深緒

国語のノート集めるよー

奈七子

深緒ー、はい、これうちの班の！

深緒

奈七子！

深緒

ありがとう！

クラスメイトＡ

はいこれー、うちらの

深緒

ありがとー！

深緒

いち、にい、さん………

深緒

……あれ、1冊足りない？

啓太

ごめん、遅れた！

深緒

け、啓太君！

深緒

あ、あ、ありがとう…！

岩田啓太くんは、

成績優秀スポーツ万能、おまけに容姿端麗性格良しときた、

めちゃくちゃモテる男子！

このクラスの女子のほとんどが

この岩田くんにドキドキ中！

もちろん、私もその中の1人で…

啓太

はい、俺のノート

深緒

あ、はい…！…あ！

深緒

（やばっ、手が滑った…！啓太くんのノート落ちちゃう！）

ガタンッガタガタッ

深緒

いっ……たぁ

啓太

だ、大丈夫！？ほら掴まって！

深緒

（うわわっ…！）

啓太

もー、俺のノートなんかのために…

深緒

ご、ごめん…💦

啓太

！腕、ちょっと切れてる！

深緒

あ…紙で切ったかな

啓太

これ！

深緒

（ポケットティッシュと、絆創膏…！）

啓太

ありがとう、でももう無茶はしないでね

深緒

…！！！

深緒

（かっこよすぎだよ！）

深緒

とんでもございません…！

深緒

（やばいやばい、顔真っ赤だよ！）

啓太

それはあげるよ

啓太

あと…

啓太

待ってるから

深緒

え？

…？

どういうこと？

特に何も約束とか、してない…

深緒

あれ、ポケットティッシュと絆創膏と……メモ？

なんだろう…？

深緒

っ！！？

奈七子

いいなぁ深緒！

深緒

あっ…奈七子

奈七子

話しかけられてたね！！

奈七子

真っ赤じゃーん！ずるーい

深緒

う、うん…

「桜公園で7時に待ってる」

啓太くんの字で書かれたその言葉に、

ドキドキは抑えられなかった

7時

深緒

（やばい！寝ちゃってて気づいたら6時半って！）

深緒

（普通のワンピース着てきちゃった！）

深緒

（それより急がなきゃ！）

深緒

…あ！

深緒

遅くなってごめんなさい！！

啓太

（良かった、来てくれた…）

啓太

（ドキッ!!!!）

深緒

ほんとごめん！

啓太

い、いや…！

啓太

（ワンピース…！いつもと印象全然違う…）

深緒

あの…その、用事？

啓太

うん…

深緒

？？

啓太

えっと

啓太

か、可愛いな、その服！

深緒

えっ？？？

深緒

あー、うん…？

深緒

（ほんとになんだ…？）

啓太

……うそ、ごめん誤魔化した

深緒

（…え？）

ゆっくり

啓太くんの顔が近づく

深緒

ちょ、近いよ…！///

深緒

どうしたの！？

啓太

佐倉

深緒

…はい

啓太

─────

深緒

！！！

その言葉にハッとして顔をあげると

啓太くんの唇が優しくふってきた

「好きだ」

翌日

深緒

（はい、大惨事──！）

深緒

（奈七子も…っていうかこのクラスの女子全員敵に回した…）

深緒

（…これって、抜け駆け…だよね）

深緒

（どうしよう）

奈七子

（…？なんか深緒、元気ない？？）

啓太

あのさ…

奈七子

えっ！？け、啓太くん！？

啓太

ちょっといい？

奈七子

う、うんっ！！///

啓太

俺、昨日佐倉と付き合い始めたんだ

奈七子

………は？

啓太

佐倉と仲良い君には言っておこうと思って…

奈七子

…そ、そうなんだ

奈七子

おめでとう

啓太

ありがとう

深緒

（あぁぁぁどうしようどうしよう）

キーンコーンカーンコーン

深緒

（…えっ！？もう放課後！？）

啓太

佐倉、帰ろう

深緒

っあ、うん！！

深緒

（か、彼氏なんだ…啓太くんが！）

深緒

（今更だけど、すっごい嬉しい）

深緒

ごめんね、送ってくれてありがとう

啓太

いや、楽しかったね

深緒

うん！

深緒

じゃあまた明日ね！

啓太

…！！

啓太

（可愛すぎ）

…え？

啓太くんが、後ろから抱きしめてる…？

…どうしたの？？

深緒

け…

啓太

あ、ご、ごめん！またあした！

深緒

ちょ、待っ…！

深緒

どうしたのかな…

深緒

ビックリした…心臓バクバクだよ…！

…どうしよう、やっぱり気になる

何かあったのかな…

……声も聴きたいし、電話掛けようかな…

プルルルルルル

ガチャ

深緒

あっ…！もしもし、深緒です

啓太

……は！？

啓太

っと待てよ、なんで今…っ

………へ？

深緒

あ、はは…

深緒

ご、ごめん急に

啓太

なんの用？

なんか、冷たい…？

深緒

そ、その…今日別れ際様子おかしかったから

啓太

あー、別に忘れてくれて大丈夫

深緒

あ、うん…

深緒

…！？！？

深緒

っ、啓太くんなんて大っ嫌い！！！

ピッ！

深緒

（ひどいひどいひどい！）

深緒

（なんで！？なんで…）

深緒

（受話器から奈七子の声が聴こえるの！？）

深緒

（お茶でいい？って…言ってた）

深緒

（啓太くん、奈七子の家にいるってことじゃん！！）

深緒

（…それに）

深緒

（もしかしたら奈七子、私達のこと知ってたのかな）

深緒

（だとしたら…！絶対怒ってるよね）

深緒

（…ちゃんと話さなきゃ）

プルルルルルル

深緒

（…？なんか、音が近い？）

深緒ママ

深緒ー、お客様よー

深緒

！！

深緒

（ドアのところから聴こえる！）

ドタドタ、ガチャ！！！

深緒

！！！

深緒

奈七子…啓太くん…

奈七子

深緒

！！

奈七子

ごめん！！

深緒

え…？

深緒

なんで、謝るのは私の方…

奈七子

私…啓太くんから2人のこと聞いて、深緒から聞きたかったなって思った

奈七子

でも私も、啓太くんが好きだったから、悔しくて

奈七子

家に無理やり呼んで、告白して、別れさてやろうなんて思ってた

奈七子

私、最低だよ…！でも、深緒と電話してるの見たら

奈七子

啓太くん顔真っ赤だし…敵わないって分かったよ

奈七子

ごめん、こんなの、友達じゃないよね…！

深緒

奈七子…ごめん

深緒

私がちゃんと奈七子と向き合わなかったのが悪いの

深緒

ちゃんと、言うべきだった

深緒

ごめん、ごめんね…

深緒

でもね、私奈七子のこと大好き

深緒

奈七子と、ずっと友達でいたいよ

奈七子

深緒…！！うんっ…うん、私もだよ

奈七子

深緒が…っ大好きだよ…！

啓太

…俺も、ごめん

深緒

あっ…ごめ、啓太くんは何も…

深緒

……

深緒

啓太くん…

深緒

なんで

深緒

ちょっと泣いてるの…

啓太

ったり前だろ！？

深緒

え…

啓太

大好きな子に大嫌いなんて言われたら

啓太

もう立ち直れない…

深緒

！！

啓太

ふざけんな…っ

深緒

ご、ごめ…

啓太

絶対、離してなんかやんねぇからな…！

深緒

啓太くん………!!!!

深緒

（やば、涙が…）

好き

この、好きな気持ちごと、

この人と、

未来へ。

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