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開票が中断されてから、おそらく30分はすぎていただろう。
ハカセ
セイヤ
ヨウタ
ハカセ
投票箱は一度担任が回収し、中身の確認を始めた。
その直後、最初の班が全員白紙で提出していたことが発覚。開票はそこで中断された。
教室の後ろのほうに、その班のやつらを並ばせると、担任は猟銃の引き金を引いた。
火薬と血が混じった臭い。
飛び散る血液と、元は人間だったなにか。
一瞬で教室は血の海となり、担任の指示で男子が死体を隣の教室に運び、女子が教室の掃除をすることになった。
ヨウタ
ハカセ
フルフェイスA
トイレの入り口で猟銃を構えたフルフェイスが言う。
ボイスチェンジャーをヘルメット内に仕込んでいるのか、気味の悪い合成音声だ。
ヨウタ
ツヨシ
セイヤ達の会話に割り込んできたのは、別の班にいるツヨシだった。
ツヨシはややガラが悪く喧嘩っ早い。
ただ、涙もろく仲間思いであるため、ガラが悪くとも周囲から信頼されていた。
セイヤ
死体を運び終えた後、気持ちが悪くなってしまったセイヤ達は、それを担任に伝えた。
死体を見るのは当然だけど初めて。 むごたらしいクラスメイトの亡骸を見て、 気持ちが悪くなって当然だろう。
死んだクラスメイトに失礼だ――
なんて綺麗事を言える余裕はなかった。
そこにツヨシが便乗して現在にいたる。
ヨウタ
ヨウタ
ツヨシ
ハカセ
ツヨシ
誰も死なない投票のやり方。
それは、セイヤがみんなに提案したやり方でもある。
ツヨシ達の班も、同じような方法にたどり着いたのだろうか。
フルフェイスA
フルフェイスA
合成音声なのに、ややイライラしているように聞こえたのが不思議だった。
猟銃を突きつけられたまま、セイヤ達はトイレを後にする。
志賀先生
教室には、まだ血のあとが残っていた。
かつてのクラスメイトが流した血の臭いは、 きっとどれだけ掃除をしても残っているのだろう。
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
生徒が6人も死んでしまったことに対しては、なにも思っていない様子の担任。
普段の気の弱い担任のイメージしかないものだから、その言動がさらに不気味に見えた。
セイヤ
ハカセ
ヨウタ
フルフェイスの連中はやや遅れて教室に戻ってきた。 あいつらがいる以上、下手に抵抗はできない。
アカリ
シズカ
マドカ
クラスメイトの死は、それぞれに衝撃を与えたようだ。
気の強いマドカでさえ、シズカに八つ当たりする程度には、メンタルを乱されている。
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
マドカ
アカリ
マドカ達の言うナンバーズとは、名前に数字が入っている女子グループのこと。
学校となると、大なり小なりグループができるもの。ナンバーズもそのうちのひとつ。
クラスカーストでは上位に位置するグループだった。
アカリ
マドカ
人間は集団になると、なぜか弱者を作り出して除外しようとする。
実はナンバーズの中でも、それが起きていたのである。
簡単に言ってしまえば、いじめである。
志賀先生
担任はチョークを持ち、黒板と向き合った。
ナンバーズのメンバーは、レイ、イチカ、ニコ、ミナミ、シキ、そしてゴミの6人。
一学期の中頃までは、それぞれ下の名前で呼び合っていたが、いつしか彼女……いじめの標的となった五味だけが、苗字呼びされるようになった。
呼び方もゴミ箱などを発音する際のイントネーションだった。呼び名は全く同じでも、イントネーションが異なるだけで印象は変わる。
それを分かっていながら、あえてイントネーションを変えて苗字呼びをしていた彼女達は、かなり悪質だ。
志賀先生
アカリ
アカリが正確なイントネーションで呼んでいるのが、せめても救いだった。
志賀先生
マドカ
ハカセ
アカリ
セイヤ
ハカセ
ハカセ
マドカ
志賀先生
志賀先生
ヨウタ
アカリ
マドカ
ヨウタ
マドカ
志賀先生
担任までもがイチカ達のようなイントネーションで彼女の名を呼んだことに、たまらずセイヤは手を挙げる。
セイヤ
志賀先生
志賀先生
イチカは担任を無視した。
志賀先生