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前回までのあらすじ。

不法侵入していたドドメ色執事を、

母に見られました。

ミドリ

(やべーーーーーー!!)

ミドリ

(どうしよう、なんて言えばいい!?)

ミドリ

(どんな言い訳しようと、現在朝6時!)

ミドリ

(私が勝手にコレを泊めたことになる状況!!)

ミドリ

(あ、不法侵入の変態って言えばいい?)

ミドリ

(それだと私には被害及ばない??)

ミドリ

(でもコレ宇宙人だしな!?)

ミドリ

(怒ったらなにするかわかんないな!?)

ミドリ

(というかこいつらって元々)

ミドリ

(人類滅ぼすのを待機してる状況だったよね!?)

ミドリ

(そうなるとうちの母親くらい)

ミドリ

(邪魔なら速攻始末しそうな気もしてきたな!?)

ミドリ

(どうしよう、なんて言う!?)

ミドリ

(コレを彼氏だと思われるのは癪だけど)

ミドリ

(この際その手で誤魔化すか!?)

ミドリ

(って、こいつの肌ドドメ色ーーー!)

ミドリ

(明らかに人間の色じゃねーわ!)

ミドリ

(その時点で無理があるわ!)

ミドリ

(どうする、もうだいぶ沈黙が続いてる!)

ミドリ

(なんとかしないと……)

ミドリ

(なんとか、なんとか……!!)

ねぇ、その人さ

ミドリ

(話の切り出しを取られたーーー!)

ミドリ

(コレはマジでヤバい!)

ミドリ

(なんとか話を作らないと……!)

もしかして、普通の人とは違う……

かなり特別な人なんじゃない?

ミドリ

(ほーら疑われてるー!)

ミドリ

(普通の人じゃないってバレてるー!)

ミドリ

(そりゃそうだわ!)

ミドリ

(だってこんなドドメ色した人間がいるわけが)

そこまで考えて、思考がピタッと止まる。

……あれ???

……私の考えてたニュアンスの言葉じゃなくない?

おそるおそる母さんの顔を見ると、そこには。

ちょっとドキドキした顔をしてる母がいた。

ミドリ

――え、お母様?

なにその顔。

なにその期待に満ち満ちた顔。

ここ今、その顔する場面じゃないですけど!?

アナ

ほう、母親のほうが話が早そうだな

アンタもアンタでなんでちょっと嬉しそうなの!

ミドリ

ま、待って

ミドリ

思わぬ方向に話が進みそうだから!

ミドリ

ちゃんと話そう!?

ミドリ

母さん、時間かかるかもしれないから

ミドリ

今日の学校は休みたいんだけ、ど……ッ!?

怒られるかもしれないと思いつつ聞いてみたら、

思いっ切り肩を掴まれた。

やっぱ学校サボるのは無理か!?

母さんは普段、そこそこ厳しいことで友人達にも知られてる。

なぜか今は叱られずに済んでいるけど、

やはり欠席は許してもらえないかと目をつぶった時だった。

なに言ってるの!

こんな時に学校もなにもないでしょう!

ミドリ

ちょっと、ホントにこれ私のお母さん!?

ここまで来るともはやかなり疑わしいんですけど!?

ミドリ

ねぇ、まさかアンタたち!

ミドリ

手の込んだ芝居してるんじゃないわよね!?

アナ

なにを言う。我々は潔白だ

アナ

それより理解のあるよい母親ではないか

ミドリ

うちの母さんは!

ミドリ

状況も把握していない内から全部受け入れるような!

ミドリ

オールウェイズ物分かりのいい人じゃありません!!

ちょっとミドリ

それは聞き捨てならないんだけど

ミドリ

あ、すみません

叱られたくないのでとりあえず謝る。

けど。

なんで母親ってのは、ホントのこと言われると怒るんだろね。

朝ご飯はできてるからそこで話を聞くわ

そちらの方は、その

急なことなので中華粥は用意できないんだけど……

中華雑炊とかでもいいかしら

……?

なぜ中華粥と中華雑炊……?

ミドリ

いいんじゃない……かな?

アナ

うむ、食事はどんな物でも摂取可能だ

摂取てちょっと!

好き嫌いはないとかなんとか言えないのかコイツ!

……まぁ宇宙人に配慮を求めるのはムリかなぁ。

モヤァ~ッとした気持ちのまま仕方なく

母さんの後ろをダイニングに進んでいく。

うちは父さんが単身赴任。

私、母さん、母方のおばあちゃんと暮らしてる。

私たちの家は別にあるけど、

おばあちゃんの家に居候させてもらってる形だ。

朝食はできるだけ、全員でとるようにしてるから……。

朝食の席で話す感じになったけど

よく考えたらおばあちゃんにもコレ

会わせなきゃいけないのか……。

あ、胃が痛い☆

逃げ出したいなーと思いつつ、椅子に座る。

目の前には、ベーコンとスクランブルエッグ

それにサラダが乗った食パンがスタンバイしていた。

アナ

見たところ、お前は時間にもあまり機敏ではないようだな

ミドリ

……なんで?

アナ

すべての具材が板状の食材に乗っている

アナ

つまり定刻に遅れた場合

アナ

挟んで食べながら走れるわけだな

アナ

お前のだらしない日常がよく分かる

ミドリ

つ、月に一回あるかないかだからっ!

ミドリ

つか、朝ごはん見ただけでそこまで見破んな!

祖母

あらあら、朝から元気ねミドリちゃん

ミドリ

あ、おはよ……おばあちゃん……

祖母

あらぁ!

ほら来た、やっぱりビビらせた!

祖母

まるでテヌラー総統みたいな殿方ねぇ!

……んん????

おばあちゃん、めちゃくちゃはしゃいでない??

テヌラー総統???

母さん、総統のお肌は青色でしょ

この方の色は紫!

童歩老師よ!

祖母

いいのよぉ

祖母

総統みたいなハンサムなんだから

お顔立ちは確かにそうだけど……

まぁいいわ

ミドリから話があるらしいから

ご飯食べながら聞きましょう

おばあちゃんの発言に不満そうな母さんの顔。

そして

ドドメ色執事の存在を当たり前のように受け入れ

何事もなかったように席につくおばあちゃん。

そしてさっきの反応、発言。

予想から大きく外れた展開の連続に私は

この数時間で何度目かのパニックを起こしていた。

ミドリ

え、あれ?

ミドリ

母さんとおばあちゃんってもしかして……

ミドリ

オ……オタク?

テヌラー将軍は知っている。

なつかしのアニメ特集とかで高頻度で出てくる

宇宙戦争作品の敵役だ。

童歩老師とやらは詳しくないけど

なんかそんなキャラがいるとかなんとか

レトロ作品にハマった友だちから聞いたことがある。

でも、これまで一度も私は!

二人をオタクだと思ったことはない!

だってアニメも漫画もCDドラマも!

一緒に見たり読んだりはするけど、

あんまり興味ないじゃん!?

そんな私の内心を見透かしたように、

母さんはじっとりと睨んできた。

そうよ

アンタの言うオタクは広く浅くみたいだから

当てはまらないだろうけどね

私の部屋の中にある大量の関連作品を見て

全っ然!気づかないんだもの!

祖母

私たちはねぇ

祖母

狭小住宅地を地球の裏側まで

祖母

一人で掘っていくタイプなのよぉ

ミドリ

……あ

ミドリ

つまりガチ勢様……?

思いがけない事態に冷や汗が滲む。

だってたった今まで一般人だと思ってて

疑ってもいなかった身内が!

業の深いタイプのオタクだと知ったわけだよ!

居たたまれないわ!!

どうりで勉強には厳しい母さんが

オタク活動は容認してくれていたわけだ。

守備範囲が違うだけで同類だからと

そこだけ緩めてくれていたに違いない。

……感謝はするけど

感謝はするけど……!!

オタクの業が脈々と培われていたなんて!

知りたくなかったかもしれない!!

アナ

さすが吉田敬衛門の血族

アナ

緑化は成せずとも、各々が布教のため

アナ

手段手法の知識を学び

アナ

受け継いでいたということか

ミドリ

……アンタのポジティブ思考と

ミドリ

変な方向からムリにでも都合よく解釈する力さぁ

ミドリ

私ら腐女子とめっちゃ似てて辛い

こんなとき、どんな顔をすればいいかわからないの……

笑えばいいと思うよ

ってわけで笑ってみても

苦笑いにしかならんわこんなもん!!

ミドリ

あの、コイツの肌の色とか、怖くない?

怖くないわよ

人間、一日の鼓動数で一年間生きようと思えば

そんな顔色にくらいなるでしょ

ミドリ

そんな設定初めて聞いたけど!?

私の最愛キャラ、童歩老師の長生きの秘訣よ

ミドリ

母さんの推し、こんな色の肌なの!?

ミドリ

よく推せるね!?

ミドリ

……ちなみにアナ、真偽は?

アナ

まず鼓動とはなんだ?

ミドリ

心臓もない……のか……!?

宇宙人の生態、怖い!

そんな怯える私をよそに、母さんがにこやかに手を合わせた。

もうちょっと気にしてくれてもいいんじゃないかな、お母様!

さて、じゃあいただきましょうか

それでしっかり話を聞かせてもらいましょう

こんな素敵な顔色の方と知り合いってことは

ミドリはこれから地球の命運のかかった戦いか

人類を救う運命に巻き込まれるんでしょう?

母さんとおばあちゃんの目が期待で光る。

いやいや、戦わないよ!

戦わないけども!!

……概要は……間違ってない……。

さすがガチ勢先輩オタク様だよ……。

…………

……あれ?

でもこれ、この騒動から私を守ってくれる流れじゃないな?

BL同人作家が地球の救済を任されました

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