ぱちり
目覚めた瞬間、なぜか見知らぬ場所にいた
きょろきょろ
辺りは薄暗く、物が散乱している
奥で“何か“が鈍い光を放っていた
恐る恐る近づくと──
猫の姿を映した鏡があった
鏡の中の猫が不思議そうに見つめてくる
首を傾げると鏡の中の猫も首を傾げた
違和感を抱き、手を顔のあたりまで上げた
鏡の猫もマネをするかのように前脚を上げる
手を下げると、猫も前脚を下げた
ぐー
食べられるものを探すが周囲はゴミ袋で積み上げられ、どこからか悪臭がした
ガシッ
とつぜん首元を乱暴に掴まれ、床に叩き落とされた
とっさに反応ができなかった
男
男
男
今度はしっぽを掴み、思いっきり壁にぶつけた
男
男
男
男
男
男
八つ当たりするように、男は猫に殴る蹴る──を繰り返した
男
男
男
男
男
男
男
猫の腹を踏みつけた
男
男に侮蔑のまなざしを向ける
男
男
男
頭を踏まれたあと、意識を失った
死神
死神
茫然と立ち尽くしていた
死神
視線を落とすと猫の死骸があった
死神
アパートの一室で猫の魂を偶然見つけ、隠り世へ連れて行こうと触れた瞬間──
死神
猫が見せた最期の記憶
死神
黒い澱のようなものが魂にまとわり付いていた
死神
死神
死神
猫の死骸以外ゴミ袋の山しかない
死神
死神
死神
魂は警戒するように、一定の距離を保つ
死神
猫(魂)
死神
死神
猫(魂)
死神
死神
猫(魂)
死神
死神
死神
死神
猫(魂)
死神
死神
猫(魂)
死神
死神
死神
猫の死骸を優しく抱きかかえる
死神
死骸を埋めたあと、その上に手頃な石を置いた
死神
猫(魂)
死神
猫(魂)
首を傾げる
死神
コメント
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🐱( '-' 🐱 )ネコチャン···安らかに