TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

お父様は、私にいつもこう言い聞かせている

「外の世界は危険だ。でもここにいれば安全だ。」と……

それを言うのは、私が外に行きたいとお父様にお願いをする度に、いつもいつも言っていた

それでも……私は外に出たい……

少しだけでもいい……少しだけ外の世界を見てみたい…… そう何度か願うようになった。

🇯🇪

イギリス?起きてる?(扉越しから)

🇬🇧

?!は、はい……

🇯🇪

んじゃ、開けるね……

🇯🇪

今日の気分はどうかな?

🇬🇧

普通……かと

🇯🇪

そう、それなら良かった

🇯🇪

ちょっと待っててね……

この光景もこれで何回目だろうか……交代でやってきてるのに、私の前に来てすることは毎度毎度こればかり。

確かに、そうでもしなきゃ血なんて飲みたくても飲めないから、そうしなきゃいけないのは知ってる……

けど……私の望みは……

🇯🇪

イギリス?

🇯🇪

大丈夫…?

🇬🇧

あ……すみません、寝起きで。

🇯🇪

ううん、謝らなくてもいいんだよ。

🇬🇧

…………

🇯🇪

もしかして……空腹じゃない?

🇬🇧

まあ……そんな所です

🇯🇪

そっか。

🇯🇪

もしかして……話を聞いて欲しいの?

🇬🇧

……ええ

🇬🇧

……怒らないで聞いてくれますか?

🇯🇪

うん、もちろん

🇬🇧

……私、一度だけでいいので外に出たいんです

🇯🇪

……なるほどね

🇬🇧

(前に一度外に行ったけど、あれはあれで外出と言うより……脱走だったから……)

🇯🇪

イングランドにも言ったの?

🇬🇧

はい……そしたら……

🇬🇧

「外は危険だから、ここにいて」と……

🇯🇪

やっぱりかぁ……

🇯🇪

いかにもって感じだね。

🇯🇪

それで……イギリスはどうしても外に出たいの?

🇬🇧

願わくば……ですが

🇯🇪

そっか。わかった

🇯🇪

僕が何とかするよ

🇬🇧

え?……今なんと?

🇯🇪

ん?僕が何とかするから安心して!

🇯🇪

んじゃ!

🇬🇧

あ……

北アイルランドさんが言っていたことに、どうも腑に落ちない感じがして、本来はそのまま眠れたのに、その日だけは何故か眠れなかった

それから何時間が経ったんだろうか……先程まで静寂だった扉からドンドンという音が響き渡り、誰か我その扉を開けた

🇯🇪

イギリス〜、起きてるかな?

🇬🇧

あ、はい……

🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿

本当にやるのか……?

🇯🇪

もちろん!

🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿

……イングランドにバレたらどうなるの分かってる上で言ってるのか?

🇯🇪

もちろん

🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿

……はぁ、こうなれば俺たちで共犯だな

🇬🇧

共犯……?

🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿

イギリス、その格好で行くのか?

🇬🇧

え、まあ……

🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿

よし、ちょっと待っててくれ……

🇬🇧

あの……これは一体……?

🇯🇪

率直に言えば……3人で外に出よう!ってこと

🇬🇧

え?!……そんなことしたら……お父様が……

🇯🇪

大丈夫、今寝てるし

🇯🇪

それにバレた時は、僕たちが責任を持つから……ね?

そう私に強く言い聞かせ、強く手を引っ張ってあの狭い狭い「鳥かご」から解放された……

外に出てみると、風が自身の肌にそっと触れ、冷たさを知らせたかと思いきや、上からドラゴンとなって現れたウェールズさんが私たちの前まで来た

🇬🇧

もしかして……

🇯🇪

そうだ?

🇯🇪

ウェールズの背中に乗って、夜空を満喫しよう!ってこと

🇬🇧

でも……こんな姿をしたウェールズを街中の人々に見られでもしたら……

🇯🇪

大丈夫、なるべく目立たたない場所まで飛ぶって

🇯🇪

それに……ここ周辺だけを飛び回るだけだから

🇬🇧

…………

🇯🇪

……やっぱ、イングランドのことで心配事でもある?

🇬🇧

ええ……バレたら……私……

お父様がお怒りになる時の恐怖は、私達一族は誰も知っている。それなのに、もしこの行動がバレてしまえば……と不安で不安で仕方なかった

なのに……なのに……そんな私を他所に、北アイルランドさんは、またあの時引っ張って行ったように、私の手を掴みウェールズさんの背中に乗って、そのままそれへと向かった

🇯🇪

今先の未来に対する不安よりも、今と言う時間を楽しも?

🇯🇪

そうすれば、不安も無くなる

🇬🇧

…………

🇯🇪

実は言うとね……

🇯🇪

僕たちはイングランドの考えに対して、反発してるんだ

🇬🇧

……え?

🇯🇪

何故か……わかる?

🇬🇧

…………すみません、よく分からないです

🇯🇪

……まるで、君を危険な化け物として地下に閉じ込めていくのが、嫌なだけ

🇬🇧

お父様の言う通りですよ、私は危険視されている吸血鬼……

🇬🇧

そりゃ、そこまでして閉じ込めたり、そこまでして私を引き止めるとも分かります……

🇯🇪

でも……僕たちは違う

🇯🇪

だって……それらを除けば君は君なんだよ

🇯🇪

たとえどんなに凶悪な化け物だろうが中身がどうなっていようが……

🇯🇪

君は君なんだよ

🇬🇧

…………

そこから何を感じたんだろうか……頬から涙か雨粒が垂れ落ちてくる感覚がして、不思議な気持ちになりながら、夜空を飛び回った……

北アイルランドさんが、私に星空の美しさや星座の話をしてくれていたようだったが、私には全く聞こえず……私は1人暗闇の世界にいるような感覚になった

🇯🇪

……イギリス?

🇬🇧

は、はい。

🇯🇪

大丈夫?

🇯🇪

まだなにか不安があるの?

🇬🇧

いえ……

🇬🇧

……この星空の美しさで、目が眩んだだけです。

🇯🇪

そっか。

そう言った瞬間、雲の間から血のように赤い満月が顔を出し、まるで私たちを見つめ不気味に微笑むような感じがして、本能のままそのまま塞がりこんだ

🇯🇪

イギリス……?

🇬🇧

?!……はぁ…はぁ…!

🇬🇧

く、苦しい……た、助け……

🇯🇪

?!イギリス!!

🇯🇪

ウェールズ!あの人の元へ向かって!!

🇯🇪

イギリスが大変なんだ!早く!!

この作品はいかがでしたか?

1,415

コメント

10

ユーザー

(今まですみませんでした🙇‍♀️)

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚