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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

ガキの頃から 腕っ節はよくて

近所の子供を纏める様な ガキ大将だった

「 俺は最強 」

そんな事を考えながら 中学にあがり

「 最強 」率いる 暴走族に入り

「 普通 」の 不良として

中学三年生になった

周囲から見た俺は まだ強い方だろう

── それでも

俺はその現状に 満足出来なかった

全ては アイツとの約束の為

9 years ago

キ ヨ マ サ

... 俺

キ ヨ マ サ

‘ 最強 ’ になる

っえ ...?

近所の公園で

あの日

マサタカ ...?

俺の袖を掴み 上目遣いで 俺を見つめる少女に

目を潤ませた 可憐な少女に

キ ヨ マ サ

俺が強くなったら

キ ヨ マ サ

お前も泣かなくて良いだろ?

...!

驚くように 目を開く彼女に

にっと笑って

キ ヨ マ サ

だから泣くなよ

キ ヨ マ サ

‘ 羽澄 ’

ハ ズミ

...

ハ ズミ

... ウン、

約 束 し た

ハ ズミ

じゃあ、マサタカも

ハ ズミ

‘ ________ ’

キ ヨ マ サ

... オウ!

その頃の無垢な俺は

その約束が永遠だと

そう、思っていた

キ ヨ マ サ

... とか言って、

今ではこんな

どうしようも無い 不良になってしまった

... 清水、何か言ったか?

キ ヨ マ サ

あ?゙ 何も言ってねぇよ

そ、そうか ...

俺の声に怯えるセンコー

蔑むような目で見る 俺のクラスメイト

アイツに顔向けできない俺

全部がウザったらしい

クソみたいな毎日

キ ヨ マ サ

... 気分悪ぃから帰るわ

結局の所

俺という人間は 表面で判断される

非行の多い 馬鹿な中坊

まったく嗤える話だ

お、おい待て清水 ...!

聞こえねぇよ

お前の声も 嘲笑も

無視して出た扉の先

黒く淀んだ世界が 俺を呑み込んだ

学校をバックレて 行く先はやはり

ハ ズミ

... マサタカ?

ハ ズミ

何してんの?笑

キ ヨ マ サ

... 羽澄

お前と誓った あの公園

ハ ズミ

さては、学校サボったな?

キ ヨ マ サ

お前もサボってんだろ

ハ ズミ

あたしは開校記念日で休みなの!

コロコロと変わる表情

少し大きめな身振り手振り

小柄なその体

全てが愛おしい

キ ヨ マ サ

... 笑

夏の暑さも

騒ぐ蝉達も

何も感じない 暖かく柔らかい世界

ハ ズミ

... マサタカ、あんまり喧嘩ばっかりしちゃダメだよ?

キ ヨ マ サ

... はは

キ ヨ マ サ

約束できねぇわ笑

ハ ズミ

もう ... 笑

お前が泣かなくていい

そんな世界を作る約束

そのための 喧嘩

辞める訳には いかない

キ ヨ マ サ

... なぁ、

キ ヨ マ サ

あの約束って、覚えてるか?

ハ ズミ

... ぇ、

ドガッ

ボコ ッ ボコ ッ

お、おい ...

流石にやりす ──

キ ヨ マ サ

あ?゙

キ ヨ マ サ

文句あるならかかって来いよ ...!゙

ぁ ... いや、

心が黒く 塗り潰されたような

そんな気がした

キ ヨ マ サ

はーッ、はー ...

どうしようも無い気持ちを 喧嘩で発散

でもやっぱり 完全には晴れない霧

屋上一面に 倒れた不良を

ハエを見るように 見下して

キ ヨ マ サ

... ハハッ、

次第に込み上げてくる 自分への嘲笑に

虫唾が走った

「 約束って何? 」

冷たくて平坦な その声音で

俺の独りよがりは 終わった

過ぎていく月日と 深まる溝

羽澄とは

連絡は疎か 話さえしなくなった

一度は澄んだ世界が

また黒色に染まり

そして ──

俺は罪を犯した

そして迎えた 八月三日

83抗争で

キ ヨ マ サ

... 死ね、ドラケン

ドラ ケ ン

... ぃ、は ッッッ 、?

俺はドラケンを刺した

結局 ドラケンは助かり

俺は逮捕

罪状は 『 殺人未遂 』

ことごとく 失敗に終わった事件後

お前は、泣いていた

ウ ー ウ ー

ピー ポー ピー ポー 

パトカーと救急車のサイレン

ただ降りしきる雨

清水将貴

11 時 52 分、現行犯逮捕

両手に掛けられた手錠

ヒソヒソと話す他人共

ハ ズミ

マサタカ ... ッ!

キ ヨ マ サ

...

キ ヨ マ サ

羽澄 ...

そして 愛しの幼馴染

ハ ズミ

... っっ、

急いで来たのか 傘も持たずに

そこに佇む 幼馴染は

顔を歪ませ 苦痛そうに口を開け

ハ ズミ

サイテー!嘘つき!

ハ ズミ

大ッッッ嫌い!

キ ヨ マ サ

... っ!

ハ ズミ

最強なんてならなくていい!

ハ ズミ

離れないって、約束したじゃん ...!

雨のせいか 濡れてる頬を拭い

悲痛な叫びを 俺に聞かせた

キ ヨ マ サ

俺が強くなったら

キ ヨ マ サ

お前も泣かなくて良いだろ?

ハ ズミ

...!

キ ヨ マ サ

だから泣くなよ

キ ヨ マ サ

羽澄

ハ ズミ

...

ハ ズミ

... ウン、

ハ ズミ

じゃあマサタカも

ハ ズミ

‘ あたしから離れないでね ’

キ ヨ マ サ

... オウ!

あの日交わした約束は

「 最強になる 」 だけじゃなかった

ハ ズミ

っあ ... ひっ、ぅ

羽澄を泣かせない

羽澄から離れない

キ ヨ マ サ

... 幼馴染失格だな、俺

一気にその両方を 破ってしまった俺は

嫌われて当然だ

... でも

これは

これだけは

キ ヨ マ サ

っ ...

キ ヨ マ サ

ごめんな、羽澄

どうか 伝えさせてくれ

キ ヨ マ サ

愛してる

ずっと前から

伝えさせて欲しかった 言葉を

キ ヨ マ サ

よーやく言えたわ ... 笑

ハ ズミ

っっ、ばか ...

ギュ ッ

どんな罰も 甘んじて受ける代わり

この時だけは

ハ ズミ

嫌い、大嫌い

ハ ズミ

でも ... 大好き

誰も邪魔できない 世界にしてくれ

それから 五年

少年院から 出所する日が

遂に来た

... もう帰ってくんなよ

キ ヨ マ サ

ウッス ...

門が開き 俺を自由へ解放する

俺を待つ人なんて 当然誰もいない

キ ヨ マ サ

... そりゃ、来てくんねーよな

約束を破った俺に アイツと会う資格はない

ならまずは手始めに 職でも探そうかと

そう思ってた 矢先

マサタカ

キ ヨ マ サ

...!

足が

体が

勝手に動いた

あの頃とは違う 大人びた雰囲気

でも

まだあどけない童顔も その小さな体も

何も かも

ギュ ー

キ ヨ マ サ

変わってないな ... 羽澄

ハ ズミ

... 笑

ハ ズミ

うん 笑

愛しい思い出から 取り出されたような

そんな幼馴染が

そこには立っていた

ハ ズミ

大好きだよ、マサタカ

この五年間を 埋めるように

体を寄せ合い 抱き合って

キ ヨ マ サ

嗚呼、俺も

﹁ 大 好 き だ ﹂

約束 今度こそ守るから

もう離れ離れなんて なりませんように

「 約 束 」

清水 将貴 Kiyomizu Masataka 

×

高田 羽澄 Takada  Hazumi

end .

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コメント

52

ユーザー

しふぉんの知ってるキヨマサ先輩じゃない⋯⁉️

ユーザー

東リべ界隈で1番頭おかしい夢小説家がおまえってことに気がついたわ😥💦 羽澄って名前好き‪😘💗

ユーザー

キヨマサかっこいい

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