先生
ま、まぁ美香さんも愛理子さんも落ち着いて…
愛理子
先生は黙っててください!!
先生
…っぁえ
愛理子
そうだよ。
愛理子
私ぶりっ子かもしれない…
愛理子
好きな人の前じゃすぐ緊張しちゃうし、声も上擦るし、いつもの私じゃいられなくなる!
愛理子
でもそれって普通な事じゃないの?
美香
は?それがぶりっ子だっつってんだよ!
愛理子
美香だってそうじゃない?
愛理子
好きな人の前で可愛くいたいって思うでしょ?
愛理子
だからいつもみたいに大きい声で笑わないし、ノリのいい曲でもはしゃがなかったじゃん!
美香
…
美香
それはその時でしょ!
美香
それにそれだからって友達の好きな人取っていい訳にはならないし!
愛理子
私何度も言ってるけど、別に取った訳じゃないよね?
美香
あんたが可愛い子ぶりっ子して気ぃ引いたんでしょ?
美香
その作った性格でさ!
愛理子
作った性格?
愛理子
寧ろ私が美香達の前でバカやってる方が作ってるんだよ!
美香
…!
愛理子
ごめん…
愛理子
それは私が悪い…
愛理子
私がもっと美香達の前で正直でいればよかった…
美香
は?
愛理子
私ずっと美香達に合わせてた…
愛理子
バカやって、ノリよくして、気を使いながら一緒に居たんだと思う…。
愛理子
本当に悪かったと思ってる…
愛理子
もうちょっと正直でいればよかった…
美香
は?意味わかんないんだけど?
愛理子
私、むかしぶりっ子って言われて虐められてた。
愛理子
だからそれが嫌で友達に好かれようとみんなのノリに合わせるようになったの…
美香
…。
愛理子
嫌われるのが怖くて、1人になるのも怖くて、友達の顔ばかり伺ってた…
愛理子
でもさ。
愛理子
わたし。
愛理子
はっきり言って可愛いし!モテるし!
愛理子
仕方なくない!?
美香
はぁ?!あんたそれまじめに言う!?
愛理子
だってそう思うもん。
愛理子
それに誰だってモテたいとも思うし、友達にだって好かれたいし。好きな人には好きになられたい。
愛理子
そうじゃない?絶対的に嫌われたくなんかないじゃん!?
美香
っええ…?
愛理子
私、美香達とも、クラスのみんなとも友達でいたい。それに好きな人と一緒にいたい。
愛理子
それが私の本音で私の願いなんだよ。
愛理子
だから…
愛理子
だから美香ごめん。
愛理子
私は美香の前でぶりっ子をしていた!!!
美香
は!!!?
美香
ほんと!いきなりなんなのてめぇ!!!
美香
男の前でぶりぶりすんのがキモいっつってんの!!
美香
何堂々と言ってくれちゃってるわけ!?
愛理子
…。
由佳
あ!あの!!!
由佳
わ、私もアリスちゃんと友達でいたい!!!
愛理子
ゆ、ゆかちゃん?
美香
はぁ!?
由佳
私も!私も同じ!!
由佳
美香ちゃん達に嫌われるの怖くて、
由佳
アリスちゃんと仲良くいたいのに無理矢理無視してた!!
由佳
ごめんなさい!!!
愛理子
ゆかちゃん…
美香
何よ!あんたまで!頭おかしいんじゃないの!?
クラスメイト
…私も…
クラスメイト
私もアリスちゃんはそんな悪い子じゃないと思う…
クラスメイト
俺も…
クラスメイト
私も…
愛理子
みんなぁ…
美香
な、なんなの…あんた達…
聡美
ねぇ、美香…
聡美
うちらも悪かったよ…謝ろう?
美香
…さとみ…
愛理子
美香、聡美…
愛理子
私と仲直り…してくれないかな?
私は美香の前に手を差し伸べた。
美香
……。
バシッ
美香がその手を払いのける。
美香
バッカじゃないの!?
…つづく