類
司くん、入るよ?
司
類っ?
ガラッ
類
やぁ司くん
類
昨日ぶりだね
司
類!会いたかったぞ!
類
!?
司
類?
類
…ううん、なんでも
類
それでだけど…ほら
司
え?これって…
類
話していたDVDだよ
類
空いている時間にでも良かったら観てくれ
司
わ…!!こんなにもいいのか!?
司
ありがとう、類!
類
また観たいものがあれば気軽に言ってくれたまえ
類
その時はまた持ってくるから
司
…ほんとう、ありがとう
類
えっ?
司
…オレ、思うんだ
司
…起きてからずっと、類に支えられてるなって
類
司くん…
司
…どうして類は、ただ友達のオレにここまでしてくれるんだ?
司
…オレなんて、何も覚えてないというのに
類
…関係ないよ
類
ただ友達…それ以外に君を支える理由はあるかい?
司
…うん、そうだよな
類
(…なんで僕、こんなこと)
司
オレ、類のこと好きだ!
類
……へっ??
司
ほぼ毎日オレに会いに来てくれているし、こんなにもオレの事を分かって、理解してくれている
司
だから類、オレの親友になってくれないか?
司
オレ、類しかいないと思うんだ
類
…はぁ
類
……もちろんだよ
司
ほっ、本当かっ!?
類
ああ
司
…類、ありがとう!
司
これからもよろしくな!
類
…うん
類
僕の方こそ
「このまま司くんの記憶が戻らなくてもいいんじゃないか」
そんな考えが少しだけまた、頭をよぎった
以前の少し気まずかった関係よりも、このまま何も知らない司くんと友人としてやっていく方がいいんじゃないかって
そんなことを、思ってしまったんだ
類
(…やはり僕は、君のとなりで――)
司
類
司
…お前は、お前だけはずっとオレのそばにいてくれ
類
え…?
司
…やっぱり類も、いつかはどこかへ――
類
そんな事ない!
司
えっ…
司
る、類…?どうしていきなり抱きしめるのだ…?
類
あっ…す、すまない!
類
こんなつもりはっ…
司
…ううん、もう少しだけ、このままでいたい
類
…ああ、いくらでも
司
…すまない、類
司
オレがいきなりあんな事を聞くから…
類
違うよ…
類
君が何に不安になっていたかは分からないが
類
君はひとりじゃない
司
…!
類
記憶が無くなる前も、君の周りは君を想う人ばかりであふれていたよ
類
…そんな君を、僕は少し羨ましくもあったと同時に…密かに憧れてた
司
類…
類
それに、僕はいなくなんかならないよ
類
…君が失ってしまったものは多く、そして大きい
類
それはきっと、僕の分も君が背負ってくれているからだ
類
…申し訳ない
類
そんな気持ちだけで僕は終わらせたくない
類
…僕は一生君のとなりを離れないよ
類
君のとなりで、一生君を支え続けるから…
司
…うっ
司
うぅ〜っ…
類
つ、司くん!?
類
泣いて…もしかして、どこか悪いのかい!?
類
す、すまない…!僕が勝手なことをしたばっかりに…!
司
…っちがうよ、類
司
どこも、痛くなんかない
類
え?それじゃあ…
司
…胸が、いっぱいになって
司
抑えられなくなって…
司
嬉しかったんだ
司
類の気持ちが、言葉が
司
そしたらオレ、自分でも気付かないうちに泣いてた(笑)
類
(…悩んでた僕が馬鹿みたいだ)
類
(…罪滅ぼしにもならないけど、僕は司くんのとなりでずっと、支え続けなきゃ)
類
(今の僕には、それしか…それしか出来ないのだから)
類
…司くん、ありがとう
類
そして…ごめんね
司
なんで類が謝るのだ!?
類
…すまない、まだ君に言える勇気は…僕にはないや
司
そうなのか…?
類
…今は気にしないでくれ!
類
君は早く、良くなることだけを考えて
類
僕がとなりで、精一杯サポートするから
司
…ああっ!わかった!
司
オレ、類がいると頑張れるよ
司
だから頑張るな、オレ
類
ああ
類
…それと、
司
?
類
僕も、君のこと好きだよ♪
司
のわっ…!?
司
よ、よく分からんが照れるっ〜…!
司
おまえ、イケメンだもんなあ…
司
さっきの顔、ずるいぞ
類
…フフっ
司
な、なんだ?
類
…ううん、なーんでも!






