もう絶対離さない

読み終わった頃には

服の袖は涙でびしょびしょになっていた

ひでも、泣いたのかな。

最後の方涙で文字が滲んじゃってるよ

ひでは

俺の事を想っていなくなったんだね

でも

一つだけ許せないことがある

ひでが俺の笑顔が好きなのは嬉しいけど

俺もひでの笑顔が1番大好きだから

あんな悲しそうな顔は見たくなかったよ

でも

迎えに来てくれるって信じてるから

言うこと聞いてあげてもいいかな

俺はもう泣かない

ひでが帰ってきたら

飛びっきりの笑顔で抱きついてやる

ひでが困るくらい

甘えてやる

そう心に決めて

俺はひでが帰ってくるのを待った

次の年の桜が咲く頃

夏祭りの時は屋台が並んでいたところを

俺は散歩していた

ひでいつ帰ってくるかな

早く会いたいなって

そう考えながら歩いていた

家に帰って来て

ひでとの思い出の写真を眺めていた

もう見たくないとは思わない

俺たちの笑った顔で埋まったアルバムを

眺めていた

ｶﾞﾁｬｯ🚪

どのくらいの間抱き合ってたのかな

ﾋｮｲｯ（抱っこ）

（2人ともソファに座ってる）

俺たちは小指を絡めて

約束を交わした

ﾎﾟｽｯ

ｷﾞｭ~

ﾁｭｯ

ﾁｭｯ

ﾄﾞｻｯ（押し倒す）

ﾁｭｯﾊﾑｯﾁｭｩｯ

（そのまま抱っこして連れていく）

俺たちは

思い出のものたちに囲まれながら

存在を確かめ合うように

強く抱き合って

お互いを感じて

求め合った

結局

泣かないっていうのは無理で

でも

今までで1番の笑顔でおかえりって言えた

今度こそ

ひでと2人で

笑顔いっぱいの思い出を作る

辛い時や悲しい時は泣いて

思う存分泣いて

泣いた分の何十倍も何百倍も

笑顔で溢れますように

もう絶対離さない

〜完〜

👋🏻‪