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スクールスパイの8日間

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スクールスパイの8日間

1 - スクールスパイの8日間 第1話 -一つの指令-

♥

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2022年04月06日

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ある施設の屋上

雄也

誠(まこと)、噂は聞いたか?

雄也(ゆうや)が青い空を仰ぎ見ながら言った

聞いてる

大量破壊兵器のことだろう?

雄也

流石に聞いているか

雄也

よく今まで都内の高校に隠し持っていたよな

全くだ

雄也

……どうなると思う?

どうって

いつもと変わらない、少人数の諜報(ちょうほう)活動さ

雄也

……だよな

雄也

いつも通りやるしかないか

弱気になるなよ

雄也らしくない

雄也

すまん

雄也

そういや、そろそろ司令の所に行かないとだな

あぁ

司令室

広いくせに空気が悪い部屋にいたのは、司令だけではなかった

司令

二人ともきたな

司令、これは

司令

各部門のリーダーたちは怖いか?

……いいえ、任務をこなすだけです

司令

はっ!

司令

心の準備はできているようだな

はい

司令

早速だが、君は明日都内の学校に編入してもらう

明日、ですか

司令

事態は急を要する

司令

都内、彩生(さいせい)高等学校内に大量破壊兵器の存在が確認された

司令

情報によると、8日後に起動する

大量破壊兵器……

司令

誠、君は大量破壊兵器の正確な座標の取得をしてくれ

……

司令

胃が縮み上がったか?

起動の阻止はしなくてもいいのですか?

司令

それは雄也の仕事だ

司令

高校という性質上、大事にはするなよ

わかりました

司令

それとだ

司令

君のサポート役として情報部の人間を用意している

司令

すでに高校に編入しているよ

バックアップなんて必要ないですよ

司令

文句をいうな

司令

生徒として潜入するんだ、一人じゃ動きづらい

司令

互いの顔は確認するな

司令

クラスメイトの誰が相棒かわからない状態で任務を行え

なぜです?

司令

向こうの教頭が元諜報員だ

司令

アイコンタクトでバレる

まさか

司令

腕は君より上だ

司令

十分に気を付けなさい

数時間後

再び屋上

雄也

誠、大役だな

お前もだろう

雄也

俺は兵器の無力化だけだ

雄也

それに隊長がいるからな

雄也

対してお前は一人だ、正直尊敬する

別の部門からサポート来るらしいけどな

雄也

情報部門の人間か?

雄也

朝から夜までモニターを見ているような連中だ

雄也

潜入じゃ役に立たないだろうさ

それじゃあ、黒板を見るのも辛そうだ

大丈夫だろうか……

雄也

心配すんなよ!

雄也

お前たちの身が危険に晒された時は、俺らが突入するから

そうなのか

雄也

あぁ、救難信号を発信してくれ

雄也

ただ、兵器の使用が防げる場合だけだ

雄也

兵器の場所も見つかっていない時は、助けにいけない

わかってる

もう大丈夫だ

雄也

お互いやってやろうぜ、誠

任務中は「ドッグ」と呼べよ

雄也

わかっているさ

よろしく「モンキー」

翌日

学校の教室

担任

今日は転校生を紹介する

(ここか)

担任

自己紹介できるか

はい

(ここは爽やかに)

みなさん初めまして!

誠と言います

趣味は運動

どうか仲良くしてください、よろしくお願いします!

女子たち

結構カッコよくない?

女子たち

どうしよう声かけようかな

(よし、好印象だな)

(情報収集させてもらうぞ)

担任

それじゃあ、空いてる窓際の席に座ってくれ

はい

(あの女子の隣か)

(出来るだけ仲良くならないと)

誠です、よろしく

……

君の名前は?

……茜(あかね)

そ、そっか

隣の席に座る茜は、不機嫌そうにそっぽを向いてしまった

この時、俺と茜の運命は大きく変わっていたのだった

スクールスパイの8日間

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