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無限城
蓮華の足取りは重かった
命令を果たせなかった事が、何を意味するか
蓮華は誰よりも知っていた
闇の中、進む度に空間が歪む
やがて目の前に現れたのは、 玉座のような椅子に静かに座る鬼舞辻無惨
鬼 舞 辻
その一言だけで、空気が氷点下まで冷える
蓮 華
蓮 華
頭を垂れる蓮華
声は震えず、しかし言葉の奥に 微かな恐怖が滲んでいる
しばしの沈黙
そして
鬼 舞 辻
その声は、圧だった
無惨の足元から黒い触手のようなものが伸び、 蓮華の頬にピタリと触れる
鬼 舞 辻
鬼 舞 辻
体の奥から冷たい汗が湧き出す
蓮 華
そう思ったその時
声が横から差し込んだ
ふざけたような、だが何処か不気味な軽さを持つ声
童磨だった
笑顔を貼り付けたような顔で、壁に寄りかかっている
童 磨
童 磨
童 磨
鬼 舞 辻
無惨の一言で、空気がまた張り詰める
童磨は笑ったまま口を閉じる
しかしその間に、もう一つの気配が近づいてくる
猗 窩 座
低く、地を這うような声
現れたのは猗窩座だった
蓮華の前に立つように進みでる
猗 窩 座
猗 窩 座
鬼 舞 辻
無惨が名を呼ぶと、猗窩座は即座に黙った
鬼 舞 辻
無惨は立ち上がる
圧は先程よりも更に重く、 蓮華の心臓を締め付けるようだった
鬼 舞 辻
鬼 舞 辻
そのまま無惨は消え、空間は静寂に包まれる
蓮華は、震える指先を見つめた
蓮 華
童 磨
童磨が後ろから覗き込むように笑う
童 磨
童 磨
その言葉を聞いた時、蓮華は心の何処かで、 それが警告である事を理解した
猗窩座が無言で近寄り、蓮華の横に並んだ
猗 窩 座
蓮華は答えなかった
だが、沈黙こそが、既に答えだった
コメント
2件
猗窩座と童磨に助けられるとか夢じゃん、最高です