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紫陽花
ラグナーク
ラグナーク影
ラグナーク影
ルシア
ルシア
思わず、声に出してしまった。
ヴァル
投擲ナイフが投げつけられる。
ガラスが砕け、破片が散る。
ヴァル
ヴァルが目の前にいた。
ルシア
ルシア
ルシア
ヴァルがナイフを構える。
その瞬間――空気が、重くなった。
息が、しづらい。
胸の奥に、じわじわと圧がかかる。
音が消える。
すべてが、遠くに押しやられたように静かになる。
視界の中心にいるのは、ただ一人。
ラグナーク
ラグナーク
彼は何もしていない。
ただ、立っているだけだ。
彼が黒幕らしいプレッシャーを発するだけで、
"動けば死ぬ”と、本能が告げる。
ヴァル
ヴァルの手に握られたナイフが、わずかに震えた。
今はもう、縫い付けられたように動かない。
ラグナーク
ラグナーク影
ラグナーク影
リラ
リラ
リラ
リラ
ヴァル
ヴァルがハッとして、ナイフを収めた。
ヴァル
ヴァル
気まずそうに私に笑いかけてくる。
ルシア
ルシア
ルシア
ルシア
公爵様の圧に当てられ青ざめていたリラが、過呼吸になる。
リラ
胸を押さえ、床に倒れる。
ヴァル
ヴァルがリラの傍に駆け寄る。
小瓶に入れられた薬を飲ませる。
ルシア
ヴァル
ルシア
灯症《とうしょう》。
呼吸器官に魔力の腫瘍が生じ、肺に炎症を起こす病。
症例は少ないが、一度発症すれば治す術はないとされる。
ルシア
私はヴァルの持つ薬瓶を指さす。
ルシア
聖女の仕事の一つに、癒しの祈祷がある。
帝都の医院を回り、人々の苦痛を和らげる魔法をかける。
専門の医師ほどではないが、多少の知識はある。
ヴァル
ヴァル
ヴァル
ヴァル
ヴァル
ルシア
私はリラの身体に手をかざす。
ルシア
血と魔力の流れを、なぞる。
肺の周りに、異物の気配を感じる。
ルシア
ルシア
ヴァル
ルシア
ヴァル
ヴァルの顔に敵意が浮かぶ。
ルシア
ルシア
ルシア
ルシア
ルシア
最悪のマッチポンプだ。
パパの狙いはわかる。
彼らの命を握り、飼いならすためだろう。
ヴァルの顔が憎悪に歪む。
ヴァル
ヴァル
ヴァル
ヴァルがナイフを構え、私にどす黒い殺意を向けた。
ヴァル
リラ
ヴァルの殺気が、より闇の深い瘴気に飲み込まれる。
その瘴気の中心には、ラグナークがいた。
ラグナーク
ラグナーク
公爵様の目に赤い光が灯る。
ラグナーク
その時、暗殺者ヴァル・グラディウスの脳裏をよぎったのは
存在しない記憶。