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紫陽花
はじめて人殺しは、いつの間にか終わってた。
ある日スラム街を歩いてたら、マフィア同士の抗争に巻き込まれた。
巻き添えで殺されそうになったから、五人ぐらい、返り討ちにした。
罪悪感はなかったと思う。
ぶっちゃけ殺したときの感触、覚えてない。
ただ、感心していた。
ヴァル(少年)
ヴァル(少年)
マフィア1
マフィア2
マフィア3
感謝されてるっぽかった。
俺が殺した五人は、こいつらの敵対勢力だったらしい。
ヴァル(少年)
ヴァル(少年)
顔を横に向ける。
少女が一人立っていた。
血濡れたナイフを右手に持ってる。
左手は金貨を掲げていた。
俺と目が合う。
ヴァル(少年)
リラ(少女)
リラ(少女)
リラ(少女)
ヴァル(少年)
リラ(少女)
俺たちは笑いあった。
それがリラとの出会いだった。
俺たちが十三のとき、リラが病気になった。
俺たちを雇ってたボスが言った。
ボス
ボス
ボス
そんなわけで、俺はボスを殺した。
仲間たちみんな殺して、金を奪った。
でも、意味なかったんだ。
リラを助ける薬は、何処にも売ってなかったから。
そんなときパパに会った。
ある日家に帰ると、病床のリラを、仮面の男が見下していた。
ヴァル(少年)
仮面の男
仮面の男
ヴァル(少年)
男は、静かに小瓶を取り出した。
かすかに、光を帯びた、透明な液体だった。
仮面の男
男はリラの顎に指をかけ、強引に口を開かせる。
液体を、流し込む。
リラの呼吸が、止まる。
ヴァル(少年)
次の瞬間。
リラが、大きく息を吸い込んだ。
ひゅう、と掠れていた呼吸が、すっと通るようになる。
胸の上下が、落ち着く。
苦しそうだった顔が緩む。
リラ(少女)
リラ(少女)
楽になる、それだけだった。
“普通に呼吸ができる”ようになっただけ。
それがどれほどの奇跡か、俺は知っていた。
リラ(少女)
震える声で聞く。
男は首を振った。
仮面の男
仮面の男
そう言って、男はもう一つ小瓶を見せた。
俺は膝をつき、まるで神に祈りを捧げるように指を組んだ。
仮面の男
仮面の男
男が仮面を外した。
ラグナーク
ヴァル
錯乱した様子のヴァルが両膝をつき、ラグナークに祈りを捧げている。
私は公爵様に耳打ちする。
ルシア
ルシア
ルシア
ラグナーク
ラグナーク
ルシア
ラグナーク
公爵様が私を見て笑った。
信頼されているのがわかる。
私はリラに向き直る。
ルシア
ルシア
ルシア
床からオレンジ色の光が湧き上がる。
ヴァルは焦点の合わない目で、ブツブツと呟いている。
ヴァル
ヴァル
ヴァル
ヴァル
ヴァル
ヴァル
ヴァル
ラグナーク
ラグナーク
ラグナーク
ヴァルは片手で顔を覆ったまま、ナイフを私に突き出した。
公爵様は首元のブローチ引きちぎると、ヴァルのナイフを受け止める。
ラグナーク
ラグナーク
公爵様がヴァルを蹴り上げる。
ヴァルの体が後方に飛ぶ。
ラグナーク
ラグナーク
ラグナーク影
ラグナーク影
ラグナーク影
時間が経つほどヴァルは本調子を取り戻し、動きはキレを増していく。
ヴァルのナイフが、公爵様の喉笛を捉えた瞬間。
リラ
リラが飛び出し、ヴァル身体を抱きとめた。
ラグナーク
ラグナーク
ラグナーク
ラグナーク影
公爵様が黒幕っぽい拍手をする。
ルシア
リラがヴァルの身体に抱きついた
リラ
リラ
リラが涙目で彼を抱きしめるのを、ヴァルは呆然と見つめていた。
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