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今日もたくさんの視線を浴びながら、教室にやっとの思いで辿り着く。

kmm

あっ!かいとー!

kit

ビクッえッあ、なに?

いつもならこんな風に話しかけてくる人なんていなかったから、つい過剰に反応してしまう。

kmm

そんなビビる?w

kit

たまたまびっくりしただけだし、

kmm

あはッwこれのどこが怖い不良なんだよってな〜。

kit

だからそれはただの噂で...

全然怖くないと馬鹿にされ、適当に噂だとあしらった。

kmm

......てかさ、また傷増えてね?

kit

い、いや?増えてないよ?

いきなり聞かれたくないことを聞かれて、見え透いた嘘をついた。

kmm

.......顔にガーゼ貼ってんじゃん。

kit

いやッ、うぅ......

kmm

言い訳できてないしw

kmm

んで?また喧嘩したの?

あんなの喧嘩じゃない。

一方的にストレスの捌け口にされているだけだ。

不良も、クソじじいも。

でも、傷の言い訳をするのには自分が不良だと言うのが手っ取り早い。

そして、傷のことを聞かれた時は、もちろん喧嘩でと答える。

kit

.........まあ、した。

kmm

もーやめろー?

kmm

痛かっただろ?

痛かった。苦しかった。

でも、そんなの素直に答えない。

kit

別にー。

kmm

............

嘘だ。

直感的にそう思った。

そりゃまあ喧嘩して痛くないはずはないだろうけど、なんだか違った。

不良なら、慣れててとか、痛かったけどそんなに今は気にしてないとかっていうのはあるのかもしれない。

だけど、kitが言った「別に」は今にも泣き出しそうで、ただ強がっているようにしか聞こえなかった。

ここで詰めなきゃkitが壊れる。

そう感じた俺は、

kitの顔に貼ってあるガーゼを強めに押した。

kit

っ.....!!

結果は予想通りなようで、予想を上回った。

痛がるとは思っていたけど、かなり激しく反応した。

あざくらいでここまでは痛がらないだろう。

俺は傷を確認するためにかいとを更衣室に連れ込んだ。

kmm

手当てはちゃんとしてんの?

kit

それはしてる。

kmm

ガーゼとか湿布貼るだけが手当てじゃないよ?

kit

傷口は洗うし消毒もしてる。

kmm

それはちゃんとするんだ。

kit

そりゃするでしょ...

少し呆れ気味に言うと、さりげなく視線を逸らした。

きっと聞かれることがわかっているんだろう。

視線を逸らしたことからあまり話したくないのは伝わってくる。

でも聞かないといけない。

kmm

.......傷、見せてくれない?

少しの沈黙の後、俺から話を切り出した。

kit

........

質問を投げかけると、kitは顔を歪めた。

それでも俺は続ける。

kmm

押してあれだけ痛がるって普通の傷じゃないと思ってさ。

kmm

見せるのも嫌なくらいの傷なんだ?

kit

っ.......

怖い。

傷を見せたらなんて言われるか。

嫌だ。

見せたら俺のこと馬鹿にするのか?

不良のくせに弱いって見下すのか?

だめだ。思考が鈍って邪推しかできない。

見せたら助けてくれる?

本当のことを話したら俺のこと守ってくれる?

嫌だ。

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!

kit

嫌だッ!!!

kmm

うおッ、

俺はkmmを突き飛ばして更衣室を後にした。

この雨が明けたら

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コメント

1

ユーザー

すごい( >﹏< *)!!!!!めっちゃ神作これからも応援しまぁす!頑張っくださいね!

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