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絆創膏

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絆創膏

1 - 絆創膏

♥

8,232

2022年05月10日

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お久しぶりです!!

いや、お久しぶり過ぎますね笑

覚えてる方いるか 分かりませんが、ぷ。です

忙しくて小説を書く 暇さえありませんでした🥲

また、みなさんと 仲良く出来たらなぁと 思っておりますので

どうかよろしく お願い致します🫶🏻

今回もるぅころです!!!

どーぞ!!!

る先生

あ、ころちゃん

る先生

今日も学校来れて偉かったですね

学校に着いてすぐに保健室の 扉を開けるといつも通り 優しい先生が迎えてくれた

る先生

すごい!!
今日はHRの時間までに
来れたんですね!!

嬉しそうに笑う先生を見て 固くなった口元が少し緩んだ

僕は高校2年生

新学期早々に親が離婚して 家庭環境が悪くなり 当たり前のように不登校になった

どうしようもない不安と 自分の不甲斐なさに 押しつぶされる毎日

食事も上手く取れず 寝たきりが続いていた時

真っ暗な闇の中から 先生が僕を救ってくれた

ピピピッ

アラームの音が 響き渡る

最近はずっと眠れずにいる

また、眠るよりも早く 朝が来てしまった

こくん

はぁ...

ため息を吐きながら アラームを止めて 学校の支度をする

こくん

うっ...

しかし、学校に行く前の この時間は決まって 気を失いそうな程の腹痛が 僕を襲う

こくん

また...今日もかよ...

もう一度布団の中に 潜り込んで 身体を丸めどうにか 楽な体勢を探す

こくん

はぁ...はぁ...

こくん

誰か...

痛くて苦しくて 死んでしまいたくなる

こんなにも辛いのに 僕を助けてくれる人は どこにもいない

いつかこのまま 誰にも気付かれずに 死んでしまうのではないかと さえ感じる

親は離婚してから 気を紛らわせる為か

僕の顔を見ると 元夫を思い出すのが嫌なせいか

家に帰って来ることが ほとんどなくなった

幸いに僕は高校生ということもあってある程度のことは自分で出来るのでそこまで苦労していない

むしろそんな親が嫌いだから 顔を見なくて済むのは 僕にとっても好都合だった

ただ、こんな時は どんなに嫌な親でも そばにいて欲しかった

なんて思ってしまう自分は まだまだ自分も子どもだと 思い知らされて余計苛立ちが募る

ピンポーン

突然インターフォンが鳴った

こくん

こんな時間に...誰だ...

立ち上がろうとするが 腹痛が収まらず すぐに諦める

ピンポーン

またインターフォンがなる

ピンポーン

3回、4回と 何度も何度も機械音が 僕を呼んでいる

こくん

しつこいな...

ガチャッ

こくん

僕は息を飲んだ

今確かに玄関の扉が 開く音がした

そしてバタバタと足音がする

こくん

誰...

足音は僕の部屋に だんだん近づいてくる

それと比例して僕の心臓も 大きく音を立てる

親がこの時間に帰ってくる ことも鍵を持ってるから インターフォンを押す必要もない

今僕の部屋に向かってくる この足音の正体は 確実に知らない人なのである

殺されるかもしれない

そんな考えが 頭の中を埋めつくして 震えが止まらなくなる

ガチャッ

ついに部屋の扉が 開けられてしまった

る先生

ころんくん!!

こくん

へ??

それは聞き覚えのある声だった

そっと布団を捲って 顔を出すと

そこにはるぅと先生がいた

こくん

どう...して...??

る先生

ずっと連絡ないし
心配だから来たんです

る先生

そんなことより
お腹痛いんですか??

る先生

今すぐお薬用意しますから
待ってて下さい

先生は落ち着いていて 優しく僕の腰を さすってくれた

る先生

よく頑張りましたね...

る先生

1人で辛かったですよね

こくん

せんせ...

る先生

もっと早く来るべきでした

先生の手は暖かくて どんな薬よりも 効き目があった

痛みが消えたのはお腹 だけじゃなくて

ボロボロになった僕の心にも 優しく絆創膏を貼って もらえた気がした

気づけば僕は 大きな声を上げて泣いていて

疲れて眠った

久しぶりに眠りについた

それから先生は 毎日のように 仕事の合間を縫ったり たまに抜け出したりして

僕の看病に来てくれた

1ヶ月ほどかけて 僕の体は元に戻っていき

不登校になってから 初めて僕が学校に来た時は 先生は泣いて僕を抱きしめて 自分の事のように喜んでくれた

とはいっても教室にいることは 難しく保健室通いだが

それでも先生はいつでも 褒めてくれた

る先生

みんなには内緒ですよ

る先生

学校来れたご褒美!!

甘い香りのするココアを 僕に差し出した

こくん

...ありがとうございます

上手く笑顔が作れず 声も掠れてしまう

る先生

ころちゃんが頑張ってるから!!

る先生

偉かったですね!!

そんな無愛想な僕なのに 優しく頭を撫でて 笑顔を向けてくれる

嬉しくて温かくて

それだけで僕は 涙が零れないように必死だった

こくん

先生...

る先生

ん??

る先生

お腹痛む??

こくん

そうじゃなくて...

先生の瞳が僕の目を まっすぐ見つめてくるから すぐに逸らしてしまう

こくん

先生...いつも

こくん

ありがとうございます

る先生

え〜!?

る先生

急になんですか!!

る先生

可愛いなぁ...もう笑

先生は僕のほっぺを 手で挟んで遊びながら 嬉しそうに笑っている

僕の胸は大きく高鳴る

本当に言いたかったことは 感謝の言葉じゃなくて

たった2文字だったのに

言えなかった

こくん

少しベッドに横になっても
いいですか

る先生

え、やっぱり
具合悪いんですか??

心配そうに眉を寄せている

こくん

大丈夫です

僕はそそくさと ベットに横になった

先生を見てると胸が苦しい

あんな大きな瞳で 見つめられたら

あんな笑顔を向けられたら

あんな簡単に 触れられてしまったら

身体中が熱を帯びて 顔が赤いのが 自分でもわかる

る先生

顔赤いから
熱あるのかな...

る先生

ちょっと熱だけ
測ってくれますか??

カーテンが開いて 先生が体温計を持ってきた

言われるがままに 脇に体温計を挟んだが

この熱の正体が 先生だと分かりきっている

ピピッ

る先生

どうだった??

こくん

平熱です

36.5

ただの平熱

当たり前だ

る先生

良かった...
熱はないね

る先生

じゃあ、今日は
ゆっくりしてて下さいね

る先生

僕はそこでお仕事してますから
なんかあったらすぐ呼んで下さい!!

こくん

ありがとうございます

そう言って先生は カーテンを閉めて 机に向かった

パソコンのタイピング音が 保健室に響いている

カーテンを挟んで すぐ側の机に 先生がいる

この部屋に先生と二人きり

そう意識するだけで 全身が脈を打つ

こくん

いつかは

こくん

ちゃんと言えるかな...

先生のそばにいられるのは あと1年とちょっと

せめて別れの日までに この気持ちを伝えたい

隠した想いを抱えて 僕は目を瞑った

月日は経ち、 僕は高校3年生になった

あれから僕は徐々に クラスに行けるようになり

今ではもうすっかり 保健室に行くことも無くなった

さくん

まじだりぃ...

パックのレモンティーに 刺さったストローを咥えながら

気だるそうに机に 項垂れているのは

同じクラスで 1番仲のいいさとみくん

女子にも男子にも 共に人気があるが サボり癖のせいで ろくに学校に来ない

こくん

次の授業体育だから
着替えに行こ

さくん

え〜、俺屋上で
サボろっかなぁ笑

こくん

また!?笑

こくん

さすがにそろそろ単位
やばいんじゃない??

さくん

まぁ確かになぁ...笑

さくん

着替えるかぁ...

重たそうな腰を上げ 机の横にかかった 体育着を持った

さくん

はい、これやる

そう言ってからになった紙パックを 僕に差し出してきた

こくん

要らねぇよ笑笑

僕らは着替えに向かった

さくん

ころん、パス!!

体育の授業はバスケだった

男だけの体育ということもあり 結構本気の戦いが 繰り広げられている

ドンッ

敵チームのクラスメイトと 激しくぶつかり

視界が歪んだ

気づけば僕は横たわっていて 直ぐに立ち上がろうとすると 足首に激痛が走った

さくん

大丈夫か!?

僕の周りには大勢の クラスメイトと先生が集まってきた

こくん

いった...

さくん

先生、ころん足怪我したっぽいので、保健室連れてきます

さとみくんはそう言って 肩を貸してくれた

そして僕らは 保健室へ向かった

さくん

先生〜

さくん

体育の授業でころんが
足捻挫したっぽいんすけど...

る先生

ころちゃん!?

る先生

ほら、椅子座って

こくん

あ、はい

懐かしい場所と 相変わず高鳴る胸

先生は慣れた手つきで 湿布を僕の足に貼った

真剣な眼差しも 綺麗な手も

僕の気持も

何も変わっていない

さくん

ころちゃんって
呼ばれてるの??笑

る先生

あっ...笑

少し気まづそうに 先生ははにかむ

こくん

僕、高2の時
保健室通いだったから

こくん

先生とは仲良いんだよ

さくん

え〜、ころんが
先生と仲良いとか意外だなぁ

る先生

そうなんですか??

少し嬉しそうに 先生が食いついた

そんな素直なところも 懐かしく感じる

さくん

ころんが先生とか大人と
関わってるのあんま見ないから

さとみくんの言った通り 僕は大人と関わろうとしていない

自分勝手な親を見て育ったせいで 大人という存在が憎らしくて

子どもの権力の低さに 苦しめられてきた

だけど先生は特別

先生だけが僕を助けてくれた

命の恩人だから

る先生

そうだったんだ...

少し寂しそうな顔で 僕を見つめてくる

こんな顔させたかった わけじゃないのにな

る先生

はい、できたよ

る先生

酷くはないと思うけど
一応病院には行ってね

優しく僕の頭を撫でた

る先生

僕が心配だからさ

こくん

...ありがとうございます

思いはこんなに溢れるのに 言葉は上手く出ない

ありがとうを伝えるので精一杯

さくん

ころんは保健室で
休んどけば??

さくん

俺、先生に伝えとくよ

こくん

いや、いいよ

こくん

湿布貼ってもらったら
結構楽になったし

る先生

本当に平気??

る先生

ベッドで休んでもいいんだよ??

こくん

大丈夫ですっ...

こくん

じゃあ

先生の優しさを不器用に 押し返してしまった

そんな自分に嫌気がさして

すぐに保健室を出た

あれからというもの、 保健室には1度も行っていない

先生とも話すことはなく

たまに廊下で見かけて なんとなく避けてしまっている

さくん

なぁ、聞いた??

さくん

保健室のるぅと先生さ
学校辞めるんだって

こくん

え??

息を飲んだ

嘘だ

何も知らなかった

さくん

今日クラスの女子が
その事で騒いでてさ

さくん

るぅと先生、
女子に人気じゃん??

さくん

いなくなる前に
告白したいって奴
結構いるみたいだぜ

こくん

...そっか

どうして先生は 僕に教えてくれなかったんだ

ずっと信じていた

ずっとそばに居てくれる 気がしていたのに

何も言わずに 姿を消すなんて

こくん

ちょっとトイレ

溢れそうな涙を 必死に堪えて 人気のない場所を探した

馬鹿

先生の馬鹿

あほ

頭が上手く働かなくて

ボキャブラリーの乏しい 言葉しか頭に浮かばない

こくん

どうしてっ...グスン

結局、誰も信じられない

裏切られるんだ

いや、僕が勝手に 期待したんじゃないか

信じるだけ無駄なんてこと 分かりきっていたじゃないか

それでも先生を信じたのは

先生だけは 特別だと思いたかっただけだ

信じていたかった

愛されたかった

1人になりたくなかっただけだ

馬鹿なのは僕だ

僕は弱い

こくん

一人に...しないでよっ...

こくん

せんせっ...グス

居なくならないで

僕の目の前から 消えていかないで

置いていかないで

ひたすら屋上で泣いて 授業なんか受けられる筈もなく

学校をサボって 家に帰ってきた

誰もいない ひとりぼっちの家に

ベッドに潜り込んで 目を閉じる

先生との思い出が 走馬灯のように思い出される

助けに来てくれた日のこと

保健室で話した 他愛のない会話

触れられた時の 高鳴る心臓

長いまつ毛と 大きくてキラキラした瞳

ふわっと香る柔軟剤

白衣からはみ出す長くて細い脚

全てを愛していた

だからこんなにも悲しい

避けていたのは僕の方なのに

今更、先生に会いたくて

抱きしめてもらいたくて

ひたすらに寂しい

こくん

会いたい...グス

こくん

るぅと先生...グスン

泣くことしか出来なかった

数日後、離任式が行われた

先生に話しかけることは 出来なかった

る先生

短い間でしたが
ありがとうございました

る先生

廊下で見かける度に
元気よく挨拶してくれたり...

先生の話は 全く頭に入ってこなかった

今日話さなかったら もう会えないかもしれない

最後にもう一度 話がしたい

神様、どうか 僕に勇気をください

頭はそんなことで いっぱいいっぱいだった

る先生

そして最後に

その一言で僕は我に返った

る先生

僕はこの学校に来れて
みんなに出会えて幸せでした

る先生

きっとこの先みんなは
最低最悪な大人に出会うかもしれない

る先生

理不尽だったり、みんなの方が大人じゃないかって思うような子どもみたいな大人にね

る先生

だけど何を言われても
みんなは本当に素敵な人だから

る先生

それだけは忘れないでほしい

る先生

どうしても辛くなったら
僕の元に来て

る先生

いつまで経っても
僕はみんなの保健室の先生だから

る先生

目に見えない傷は目に見える傷よりもとても深く大きくて治りずらい

る先生

僕が完璧に治してあげられるかは分からないけど、絆創膏くらいは貼ってあげるられるよ

る先生

嫌なバイ菌は消毒して
落としてあげるからね

先生の視線は 僕の方を見ていた

僕は声を殺して泣いた

る先生

みんなが幸せであることを
遠くからでも祈っています

る先生

どうかあなた方が生きやすい
未来でありますように

る先生

お元気で

先生は深くお辞儀して もう一度後ろのパイプ椅子に腰掛けた

大きな拍手と 大人数のすすり泣く声が 体育館に響いた

気づけば離任式は終わっていて ゾロゾロと体育館から 人がいなくなっていく

その様子をぼーっと眺めながら 考えをめぐらせていた

意地ばかりはって ろくに挨拶もせずにいた日々が

憎くて悔しくてたまらなくなった

さくん

今からでも
遅くないんじゃね??

隣に立っていた さとみくんが僕だけに 聞こえる声で囁いた

さくん

ころん、先生になんか
伝えたいんじゃないの??

さくん

いつも先生のこと避けてたし

さくん

先生が居なくなるって教えた日
いつも真面目な癖にサボったし

さくん

最近ずっと元気なかったから
流石に気付くよ

さとみくんは 呆れたように笑った

こくん

僕...行ってくる

さくん

おう、行ってこい

拳を向けて 僕に笑いかけた

僕が思っていたよりも さとみくんは大人で

僕のことを知ってくれていた

その嬉しさを噛み締めながら 体育館を走って抜け出した

こくん

先生っ...

思い切り保健室のドアを開けると

驚いた顔をした先生が 荷物をまとめていた

る先生

ころちゃん!!

る先生

挨拶に来てくれたんですか??

る先生

嬉しいなぁ...

わざわざ作業を中断して 僕の元に駆け寄ってくる

る先生

あれ、なんか背伸びました??

る先生

筋肉がついたのかなぁ...

る先生

かっこよくなっちゃって〜!!笑

思い切り抱きしめられる

その時僕は気づいた

こくん

泣いてる??

る先生

な、泣いてませんよ!!笑

明らかに空元気で 声は震えていた

こくん

先生...??

る先生

なんか寂しくなっちゃった笑

ごめんねと笑いながら 離れてまた荷物をまとめだした

る先生

全然荷物まとめてないよ〜笑

る先生

こんなんじゃ
離れられないよ笑

こくん

もうずっとここにいて下さい

こくん

僕...寂しいです

心からの本心だった

だけど先生は 笑うだけで

言って欲しい言葉は 帰ってこなかった

長い沈黙が続いた

言いたいことは山ほど あるのに

なにも言えず 立ちすくしていた

しかし沈黙を破ったのは 先生の方だった

る先生

ごめんね...グスン

る先生

最後まで守って
あげたかったんだけどさ

る先生

僕...弱くてさ...グス

こくん

どういうことですか??

さっきまで空元気だった 先生はピンと張っていた線が 切れてしまったかのように 突然泣き出した

る先生

ちゃんと別れも...グス
伝えられなくてごめんね

こくん

それは、僕が
変に意地張って...

こくん

なんか...上手く話せなくて...

こくん

それで...

思いが溢れすぎて 言葉に詰まってしまう

る先生

違うんです...

コンコン

急に扉がノックされる

先生はすぐに涙を拭って いつもの笑顔を作った

る先生

はーい!!

り先生

るぅと先生!!
荷物まとめ終わりました??

る先生

あ、もう終わります!!

り先生

じゃあ、終わったら
職員室の方来て頂いても
よろしいですか??

る先生

わかりました!!

り先生

あれ、ころん
何してるの??

扉のすぐ横にいた僕に 気づき、先生は 不思議そうに見つめていた

返答に困っていると 先生が口を開いた

る先生

わざわざ挨拶に
来てくれたんです

る先生

ほんとに最後まで
良くしてもらって
僕も幸せ者です

り先生

そうだったんだんですね!!

り先生

じゃあ、お邪魔しちゃ
悪いので俺は行きますね笑

こくん

あ、いやそんなことないです

こくん

僕ももう行きます

こくん

じゃあ、失礼します

そっと保健室を後にした

これ以上先生を泣かせたくなくていてもたってもいられなかった

先生がいなくなって 数ヶ月が経ち 今度は僕がこの学校と 別れる季節になった

さくん

早かったなぁ...

窓の外に咲いている 桜を眺めながら 少し切なそうに呟いた

いつも制服を着崩している さとみくんは今日だけは きちんと着こなしていた

こくん

卒業したらどうするの??

さくん

俺は大学行くよ

さくん

ころんは??

こくん

僕は専門学校

さくん

なんの??

こくん

学校の先生になりたくて
教員免許とるための

さくん

あー!!
そういや言ってたな

さくん

今だから聞くんだけどさ

こくん

うん??

さとみくんは少し 重たそうな口を開いた

さくん

先生になりたいっていうのは

さくん

るぅと先生追っかけるってこと??

こくん

うん!!

こくん

離任式の日話せなかった
訳じゃなかったんだけど

こくん

ずっとつっかかってる
ことがあって

るぅと先生みたいに 誰かを助けられる人になりたくて 先生という職を目指したのもあるが

きっと大きな理由は それじゃない

先生が言った 「ごめんね」の意味が 他にある気がしたからだ

あの日から1度も 先生を考えなかった日はない

モヤモヤしたまま 終わりたくなくて

願いを叶えるべく この道を選んだ

り先生

お前ら〜!!
もうすぐ卒業式始まるから
廊下に整列しろ〜

担任の莉犬先生が みんなに声をかけた

僕はネクタイを整えて みんなの列の中へ入っていった

卒業式もあっという間に 終わり、みんなと最後の 写真を撮っていると

先生が僕を呼んだ

り先生

ころん!!

り先生

卒業おめでとう

こくん

本当にお世話になりました

り先生

なんかお客さんが来てるよ

り先生

保健室行ってみて

こくん

保健室ですか??

り先生

うん!!

り先生

はやくはやく!!

先生に背中を押され 僕は保健室へ急いだ

こくん

失礼しまっ...

こくん

る先生

ころちゃん、
卒業おめでとう!!!

こくん

なんで...

そこにはるぅと先生が 花束を抱えて立っていた

る先生

祝いに来ちゃいました笑

先生はいたずらっぽく 笑って見せ、花束を 僕に渡した

こくん

ありがとう...
ございます...グス

心のどこかで もう会えないと思っていた

それなのに今目の前に 立っている

その事実が 嬉しくて自然と涙が零れた

こくん

ずっと...
会いたかったんです

る先生

僕もです

先生に抱きつくと 優しく抱き返してくれた

こくん

なんで急に
どっか行ったの...グス

こくん

寂しかった...グス

る先生

ごめんね...

先生のその言葉を聞いて 離任式の日のことを思い出した

あの時もこうやって 謝られた

聞くなら今しかない

こくん

ほんとうの理由は
何だったんですか

こくん

この学校やめた理由

先生は困った顔をして 俯いた

る先生

実は...

静かな保健室に 先生の声が響き渡る

る先生

ころちゃんの家族に
もっところちゃんのこと
考えてあげて欲しいって
直接伝えに行ったら

る先生

怒らせてしまって、
僕みたいな先生がいる学校
なんか行かせたくないって
言われちゃって

る先生

そうなるくらいなら
僕が居なくなりますって

る先生

色々学校側も対処して
くれたんだけどさ

る先生

どうも出来なくなっちゃって

る先生

辞めざるを得なく
なっちゃったんです

こくん

何それ

こくん

じゃあ、僕のこと
庇うために学校辞めたの??

る先生

ちゃんと辞めること
ころちゃんに報告しようと
したんですけど

る先生

タイミング合わなくて
言えなくてすみませんでした

守ってあげられなくて ごめんと言ったのは そういうことだったのか

先生もずっとそばで 僕を守りたかったが 引き離されてしまった

その事実をずっと 黙っていてくれたのか

全ては僕のために

僕が傷つかないように

守ってくれていたんだ

こくん

なにも知らなかった...グス

こくん

ずっと守って
くれてたんですね

る先生

一緒にはいられ
なかったですけどね...

る先生

だけどね!!

る先生

ころちゃん卒業したし、
これでやっと一緒になれるよ

こくん

え??

る先生

ころちゃんが良ければ
一緒に住まない??

る先生

高校卒業したら
ころちゃんも自立出来るでしょ??

こくん

いいんですか!?

る先生

もう1人にはさせないよ

先生は1度も僕を 裏切ったりなんかしてなかった

ずっと味方でいてくれたんだ

溢れ出す感情の中で あともうひとつ 言わなくちゃいけないことがある

ドキドキする胸も

勝手に先生を探してしまう この目も

先生のことばかり考えて しまうこの脳も

治し方が分からない

ねぇ、先生教えて

この気持ちはきっと...

る先生

僕、ころちゃんのことがね...

こくん

先生...好きです

やっと言えた

先生は驚いた顔をしている

る先生

僕も...好きです

あぁ、これが 愛されるということか

る先生

ころちゃんの幸せのためなら
何でもするから

神様、愛というものは とてもステキなものですね

1度砕けた心を 先生が新しく作ってくれた

先生の絆創膏 魔法みたいだね

この作品はいかがでしたか?

8,232

コメント

79

ユーザー

ぷ。さんの言葉の表現の仕方がとても丁寧で読んでて心地よかったです!

ユーザー

マジで好きです

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