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レッスンも終わって、他のメンバーは先に帰ったけど、俺はまだぼーっとスタジオの床に座っている。
水のペットボトルを手に持ったまま、口をつけるのも忘れていた。
ーガチャ
ケビン
そう言って、ケビンは俺の隣に座った。
史記
ケビンが少し首をかしげて笑う。
ケビン
史記
ケビン
冗談っぽく笑ってくれるケビンに、 少しだけ心がほぐれた。
でも、ずっと胸につっかえてたものが消えるわけじゃなくて。
史記
史記
そう言った瞬間、自分でもびっくりするくらい声が震えてた。
ケビンは黙って、 俺の言葉を待ってくれてる。
史記
史記
史記
俺は膝に肘をついて、手で顔を覆った。
史記
しばらく沈黙が流れて、 それからケビンがぽつりと言った。
ケビン
ケビン
顔を上げると、ケビンは真剣な表情でこっちを見てた。
ケビン
ケビン
史記
ケビン
ケビンの言葉は、優しくて、 でも真っ直ぐで。
少しだけ、重たかった胸が軽くなった気がした。
史記
ケビン
ケビン
ケビン
ケビン
ケビンのその一言が、 妙に胸に刺さった。
“楓弥だって、嬉しいかもしれない”――
俺は、自分の気持ちをごまかして、楓弥の気持ちまで勝手に線引いてたのかもしれない。