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zm

お母さん!今日は何買ってきてくれたん?

あぁ、今日はね。林檎を買ってきたよ

zm

そうなん?はよ、食べよーや!

幼い頃の思い出は、 とても良い物だった

zm

母さん?

でも、ある時。

「…ゾムさんは、余命があと2年しかありません。」 そう決断されて母さんが1番最初にこの話を聞いた。母さんとお医者さんが話している声は俺の耳にも届いてしまった。その後から 母さんはお見舞いに来なくなった。 でも手紙が1つだけ、届いた。

ゾムへ あなたはもう 私の子ではありません さようなら

本当に少ない文章だったが、 その文だけで分かってしまった。 母さんは、…母は、俺を捨てたのだと。

その日から、俺は色盲になった。 色が全く何も分からないのだ。 白と黒しかない世界。

喘息で息が出来なくなる

そしてどんどん麻痺する足。

治るから、治るからなんて 言われながら打たれ続けた薬。

薬を飲むと、頭痛、吐き気、痺れに 襲われた。

毎日死にたかった。

でも、担当医の大先生だけは ずっと傍にいてくれた。

俺が小さい時からずっと面倒を 見てくれていた。

優しい担当医さん。 でも大先生が何をしても、この病は 治らなかった。

いつも窓から眺める

外に歩いている人たちが羨ましいと

zm

……はぁ、

また思い出してしまった。 あの頃の記憶を、…1年前に姿を 消した母親は、今は何処かで子を作って幸せに暮らしているらしいと。

そう聞いた時から、自分は本当に 生きる意味を無くした。

zm

……、

桜を窓越しに眺めていると、 後ろから声を掛けられる。

??

…ゾムさんであってます?

zm

…はい、

無表情な彼は、ゆっくりと こちらを見つめていた

shp

今回カウンセリングする事になったショッピっす。

shp

宜しくお願いしますね。ゾムさん。

zm

……はい。

shp

…そうですね。ゾムさん。

shp

好きな食べ物ってなんですか?

zm

…食べ物…、

えっと、…えっと、と戸惑っていると ゆっくりでいいっすよなんて、 昨日のトントンみたいなことを言ってくれる。

zm

……林檎と、……

zm

大先生の作ったおうどん。

shp

んふ、w…

何か可笑しい所でもあっただろうか? と疑問に思っていると、ゆっくりと笑ってから…

shp

大先生のおうどん俺も好きです。

shp

…大先生の友達の人たちみんなおうどん振舞ってもらってるんすけどね。

shp

みんなおうどん好きになって帰ってくるんですよ。

zm

…そうなんや。

思い出したかの様な表情をしたあと そのショッピさんは話し出す

shp

そういえば、あなたも色盲なんでしたよね。

zm

…はい

shp

俺も昔は色盲で…ずっと、怖かったのを覚えてます。

shp

…ある時、ある人たちと出会ってから俺は瞳に色が宿るようになったんです。

zm

……

shp

貴方も昨日、色を見れたと聞いています

shp

貴方も…色盲が治るのかもしれません。

zm

…それならええですね。

困ったように眉をひそめ、そして 笑った。

shp

…貴方の病はきっと治りますよ。

そんな無責任なことを、と…少し苛立ったが…何かと言葉は出てこずにこりと笑ってしまった。

zm

…そう言ってくれると嬉しいです。

shp

週一でこれからお話すると思うんで、これからも宜しくお願いしますわ。

shp

…そろそろ、大先生が来ると思いますので大先生に変わりますね。

そう言って、その人は歩いていった。

あの人を見て思ったことは…ただ。

zm

……なんか、母さんに似てる。

それだけだった。

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