ふせん

──2日目

帰ってきたミノリは、今にも泣き出しそうな表情で膝を抑えていた。

ミノリの目に涙が滲んでいる

ミノリの茶色い瞳から大粒の涙が流れ落ちる

消毒とばんそうこうを持って来た

ミノリの膝にある傷に、消毒が1滴垂れる度に傷口からじんわりと痛みが広がる。

ミノリには、まるで簡単な拷問のような痛みにすら感じた。

ナナカは、ミノリの膝に付いた消毒をミノリに黙れと言わんばかりにティッシュで拭き取る。

ゴシゴシと雑に、わざと痛くなるように拭く。

雑だが、しっかりと絆創膏を貼る。

「おかあさんを怒らせてはいけない」

そのふせんには、雑にはられた絆創膏の少しずつ痛みの来る拷問のような痛さと、

おかあさんを2日連続で怒らせてしまい、自分はダメな子だと思い切っているが、まだ何とかできるかも、という希望が込められていた。

-2枚目-