主
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第69話『影の独白』
……人には、誰にでも「影」がある。
それは肉体の後ろに伸びる黒い影のことじゃない。
心の奥底に沈み、誰も気づかず、誰も知ることのない、もうひとりの自分のことだ。
多くの人間は、一生をその存在を知らずに終える。
影はそういうふうにできている。
表に出ることはない。
光があれば必ず影は生まれる。
けれど、影はただ光に寄り添うだけで、自ら主張することはない。
もう一人のらん
だが、ごくまれに。
想定外の出来事が起きたときだけ。
たとえば、あの日の「事故」のように。
人間の心に亀裂が入り、抱えきれないほどの空白が生まれたときだけ。
影はその隙間から滲み出し、表に触れることを許される。
もう一人のらん
正直に言えば、最初は戸惑った。
いや、苛立ちのほうが近かったかもしれない。
もう一人のらん
もう一人のらん
もう一人のらん
もう一人のらん
もう一人のらん
もう一人のらん
もう一人のらん
もう一人のらん
──俺は影だから。
優しくなんて、できるわけがないと思っていた。
けれど。
それでも、主は前に進んだ。
苦しそうに眉をひそめながらも、仲間に囲まれて、笑おうとしていた。
もう一人のらん
……気づけば、手を貸していた。
不器用なやり方で。
頭痛という合図を与えて、俺に気づかせるように仕向けた。
影のやり方はいつだって回りくどくて、粗雑だ。
けど、それしかできなかったんだ。
今、少しずつ、主は記憶を取り戻しつつある。
主自身の力で、仲間との絆で。
もう一人のらん
影は、その輪郭を照らすことしかできないから。
だからだろう。
もう一人のらん
もう一人のらん
もう一人のらん
もう一人のらん
もう一人のらん
光が自立すれば、影はただ地面に落ちるだけのものになる。
言葉を持つことも、感情を抱くことも、もうできなくなる。
もう一人のらん
ほんの少し前まで、そんな結末を望んでいた。
「消えるならそれでいい、むしろそうあるべきだ」と、冷めた顔で言い切れると思っていた。
けれど今は、胸の奥がほんの少しだけ疼く。
もう一人のらん
俺はあいつを助けたいなんて、殊勝な理由で動いてるわけじゃない。
俺は影で、ただ「そうあるべき」だからそうしてるだけだ。
もう一人のらん
でも、もしも──もしもだ。
もう一人のらん
もう一人のらん
「おかえり」って。
それだけで、俺の存在に意味があったと証明できる気がするから。
第69話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡300
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コメント
1件
光のらんくんと影のらんくんが仲良く別れられたらな