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看護師
夕陽
看護師
夕陽
なんで俺が…
そんなこと、何回も思ってきた
なんで俺が病気に?
なんで俺が入院してる?
俺以外が病気になっちまえば…
そんな最低なことも、平気で考えるようになってしまった
まぁ、すべて病気のせいだけど
そぅ…病気のせいだから
夕陽
看護師
看護師
夕陽
痛いのは、苦手なんだよな…
看護師
スー……(抜いていく)
夕陽
痛い…点滴なんて大嫌いだ
看護師
夕陽
俺は多発性硬化症という病気を持っている
この病気は神経の動きが乱れ、痺れ・麻痺などの症状が出る
だから、腕に針を刺して血を入れたりするのは腕が信じられないほど痛いし、痺れて動かない
しかも、神経に刺された時なんて死にたいと思うほど痛い
看護師
夕陽
看護師
ナデナデ…(頭を撫でる)
夕陽
看護師
夕陽
夕陽
看護師
看護師
夕陽
看護師
夕陽
看護師
夕陽
バタンッ…
夕陽
一人の時は、もの凄く暇だ
喋る相手なんていないし、ずっと一人だ
だから、できるなら話相手がほしい
だけど俺は、人と喋るのは 苦手だ
男子だったらまだ話が弾むが、女子だと最悪の空気が流れる
だから、できるならここの病室にくる子は男子がいい
…なんなら、喋りかけてくれる子がいい
まぁ、そんな都合がいいことはおきないと思うけど
夕陽
ここは八階
しかもこの病院は高台にあるから、景色が凄くいい
窓側のベッドで本当によかったと思う
少しもの救いだった
夕陽
夕陽
俺の親は、俺が小学三年の時に事故で死んだ
あっけない最期だった
俺は一人っ子だったし、家族は一人残らずいなくなった
引き取ってくれる親戚を探していたが、そんな都合のいい人は見つからず…
だけど、お母さん側の親戚が、籍だけは置いといてやるって
だから実際は親戚に引き取られてるが、家族とは思えなかった
まぁ、引き取られた三ヶ月後に病気が判明して入院した
だから一緒にいる時間がなかったのもある
まぁ…一緒にいても愛してはくれなかったと思うけど
それに比べたら、俺の担当の高橋さんは愛をくれる
本当のお母さんのようだ
夕陽
もう眠るか…遅いし
夕陽
夕日…綺麗だな
オレンジ色の夕日は、希望をくれる色だと聞いたことがある
夕陽
俺の名前は赤嶺夕陽
俺が産まれた時は夕方で、海に沈む夕日が綺麗だったから
…そんな理由で名前が決まった訳だが、俺には合ってないと思う
心が綺麗な訳なんかじゃないし、誠実に生きてきたつもりはない
普通に学校なんてサボってたし、教師に暴言を吐いたりした
そんな風になっていた時には親はもういなかった
だから失うものがない俺は無敵だったかもしれない
夕陽
ス…(目をつむる)
おやすみ…なさい
…そのまま、寝ているままいなくなってしまいたい
痛みから、解放されるんだから
夕陽
ギュッ…(強く目をとじる)
そんなこと、考えたらダメだ
本当に…ダメな人間になってしまうんだから
〈終わり〉
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