テラーノベル
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蝶屋敷の中庭に、静かに風が吹いていた
木々の葉が揺れる音だけが響く中、 芙梛は縁側に座っていた
何もしていないのに、心が妙にざわついていた
あの時、上弦の鬼を二体倒して戻ってきた時
無一郎に「何かを気づかれた」気がしてならなかった
そんな時だった
不意に名前を呼ばれて振り返ると、 そこには無一郎が立っていた
だが、いつものような無表情ではない
真っ直ぐに芙梛の目を見ていた
時 透
その一言に、胸がどくんと鳴った
庭の縁側
その場所で、無一郎は再び口を開いた
時 透
その言葉はまるで心の芯を射抜くような鋭さだった
芙 梛
芙梛は咄嗟に笑った
少しだけ首を傾げて、まるでいつものように
芙 梛
芙 梛
それは自然な嘘だった
だが
時 透
無一郎の瞳は、変わらず真っ直ぐだった
いつも空を見上げているような彼の視線が
今はただ一つだけを見捉えていた
時 透
時 透
時 透
その名を出されて、芙梛の指が僅かに震えた
時 透
時 透
時 透
芙梛は何も言えなかった
言葉が喉まで込み上げてくるのに、声にならなかった
芙 梛
だって、それを口にした瞬間、 きっと彼の目は変わってしまう
優しい目じゃなくなる
敵を見る目に、きっと
時 透
再び呼ばれた名前に、はっと顔を上げる
時 透
時 透
その声が心を揺らす
芙 梛
そう思いながらも、芙梛の唇は何かを言いかけていた
だが、その瞬間
一匹の鴉が無一郎の肩に乗って、話し出す
任務を告げる緊急の合図だった
鴉
芙 梛
無一郎が顔を上げる
時 透
そのまま無一郎は、静かにその場を離れていった
芙梛は一人、縁側に残される
強く噛み締めた唇から、少しだけ血が滲んでいた
芙 梛
風が吹く
芙梛の髪が揺れ、胸の奥に閉じ込めた真実が、 今にも崩れ落ちそうになっていた
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9000❤️いきましたね! 感謝です😊✨
こちらも1000❤️突破しまして、とても嬉しいです‼️
プロフィールに書いておいたんですけど、 定期テストがあったので、更新がなかなか出来ていませんでした
無事テスト終わったので、これからの更新は頑張らせて頂きます
このお話なんですけど、最初は自己満で書き始めたんですが、 書いていくうちに沢山応援してくれる人が増えてきて 嬉しい限りです🥹
まだまだ続くので、これからも応援してください🙇♀️🫶🏻
コメント
4件
更新増えると分かりとっても嬉しいです!前々から読んでいたのですが、更新が来たら「うぉぉぉぉお」って感じになってました