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突然の事だった…

私の祖母が旅立った…

私は祖母が大好きだった…

私のつまらない話だとしても 笑顔で聞いてくれる祖母が大好きだった

私は祖母が旅立った事が原因で 失声症となった

私はどうしても祖母にお礼を言いたい

私の話し相手になってくれたこと

だから私は祖母に会いに行くことにした

この世界は数年前にあの世とこの世が 繋がってしまっている

なのでまだ祖母が現世にいる可能性があるのだ

死者はすぐにはあの世には行かない

三途の川という川から小舟に乗って あの世にと向かうのだ

まだ祖母が旅立ってからそんなに経っていない

だから私は祖母に会いにいく

実は祖母との会話の中であるお店の名前が出ていたのだ

そのお店はあの世にあるお店である

店名は【鬼神桜】

祖母曰くここは茶屋と言われる場所で そこの店長さんと大変仲が良いと

自慢げに話していたのを覚えてる

その記憶を頼りに私はそのお店に 向かうことにした

鬼神桜

鬼島

いらっしゃいませー

純鈴

(あの人が店長さんだろうか?)

鬼島

おや?君は…

純鈴

(ど、どうも…)

鬼島

はいこんにちは

鬼島

もしかして君喋れないのかな?

純鈴

(はい…)

鬼島

うーんもしかして失声症なのかな?

純鈴

(分かりませんがたぶんそれではないかと)

鬼島

なるほどね

鬼島

まぁ久しぶりの人間のお客さんだ

鬼島

お金のことは気にしないで注文してくれよ

純鈴

(い、いいんですか!?)

鬼島

もちろん♪

鬼島

君って桜さんのお孫さんでしょ?

純鈴

(ど、どうしてそれを!?)

早乙女 桜 祖母の名前だ

鬼島

桜すごく楽しそうに君の話するからね

鬼島

それに雰囲気が何となく似てるからさ

純鈴

(そうですか…)

鬼島

そう言えばその桜さん見かけないけど?

純鈴

(祖母は……)

鬼島

そっか…

鬼島

まぁ気を落とさないで

鬼島

まだ会えるチャンスがあるんだからさ

純鈴

(でも、私は声が出せない…)

純鈴

(こんなキャンバスに書いた文字なんて見えるわけ…)

鬼島

君はね勘違いをしてるよ?

純鈴

(え?)

鬼島

君は声を出せる

鬼島

これは紛れもない事実だよ

純鈴

(そんな事ありません!)

純鈴

(私は何度も声を出そうと…)

鬼島

してないよね?

鬼島

そんな勇気なかったんじゃないの?

純鈴

(あなたに私の何が…)

鬼島

だって桜さんの為にこのお店まで来たんでしょ?

鬼島

その勇気はすごいと思うよ

鬼島

君くらいの歳の子はこの街にすら来ることを怖がって来てくれないもの

鬼島

なのに君はこの街に来てその上僕のお店に来てくれたじゃないか

鬼島

ここまで行動力あるし勇気もあるはずなのに

鬼島

たかが声を出すことを恐れてるなんておかしいでしょ?

鬼島

ここまで来てるのに声が出せない

鬼島

自分の持っている勇気を声を出すということに使ってない証拠さ

純鈴

………

鬼島

どうだい?図星だろう?

純鈴

(そんな事ありません!)

鬼島

おやおや認めないのか

鬼島

でもまぁ僕には関係ない事だからね

鬼島

じゃあ最後に僕からひとつある事を教えてあげる

純鈴

鬼島

今日の夕方三途の川から冥界行きの小舟が出るよ

鬼島

乗る人は約1年前に亡くなられてる方々だったかな?

純鈴

!?

鬼島

それじゃあお茶楽しんでね

そういうとその店長は裏方に消えた

全く鬼島さんも人が悪ぃな

何言ってんだよ

鬼島そもそも人じゃないだろうに

ハッハッハっ!そうだったな

地獄幹部の14番目の人だろうに

バカ!それは昔の話だろう!

おっといけね…

純鈴

(あの!)

あぁ?

なんだ嬢ちゃん

純鈴

(そのお話聞かせてくれますか?)

鬼島さんの事かい?

純鈴

(はい!)

まだざっくりだが聞かせてやるよ

あの人は閻魔様に使える地獄の使者なんだよ

とは言っても元なんだけどな

純鈴

(もと?)

あぁ

あの人は禁忌を冒したからね

死者と関わりを持ってその死者の願いを叶えてしまったんだよ

純鈴

(それっていけないことなの?)

そりゃ行けねぇ事よ

特に閻魔様の側近だとな

まぁそれで死者の願いを叶えた鬼島さんは

閻魔様のお怒りを受けて処罰を受ける事になったんだよ

とは言ってもただの破門なんだけどな

あの人は人間に対して優しすぎなんだよ

死者は死者だからな

そいつらをちゃんと天に届ける

又は地獄に送るそれだけの作業なのにな

純鈴

(………)

そう言えば嬢ちゃん誰かに会いたがってなかったか?

純鈴

(何故それを?)

別に盗み聞きをしてた訳では無いんだがな

まぁ嬢ちゃん困ってるみたいだしな

俺らもちょいとそっち方面に用があるんだ

道案内くらいしてやるよ

純鈴

(あ、ありがとうございます!)

鬼島

………

純鈴

(あれ?そう言えばこの人たち…)

純鈴

(鬼島さんの話の時に)

純鈴

(人間と関わりを持つのは禁忌って…)

おいおい気づくのおせぇだろ

俺らは親切な事なんてしねぇよ

人間は価値が高ぇんだよな

俺らの小遣い稼ぎにはもってこいだな

純鈴

(そ、そんな……)

悪ぃな

騙される方が悪ってことだ

鬼島

馬鹿言え

鬼島

騙す方が悪に決まってんだろ

き、鬼島ぁ!?

純鈴

(鬼島さん!?)

鬼島

君も騙されるなんて単純すぎ

鬼島

でもそこは桜さんそっくりだ

鬼島

この道をそのまま進めば三途の川にたどり着く

鬼島

そろそろ行っちゃうぞ?

鬼島

この馬鹿どもに関してはぼくが引き受けるから

純鈴

(あ、ありがとうございます!)

鬼島

……さて

鬼島

君たちどうしようかね?

き、鬼島さん?

あれはジョークですよ……

俺らぁそんな事…

鬼島

まぁ話は後でゆっくり聞くから

三途の川

純鈴

はぁ…はぁ…はぁ…

純鈴

(小舟が動いてる!)

純鈴

(おばぁちゃんは!?)

純鈴

(何処におばぁちゃんが……)

鬼島

目の前の小舟だよ

純鈴

(え?)

純鈴

(いま、鬼島さんの声が……)

純鈴

(あ!おばぁちゃんがいた!)

今まで出せなかったその声を 私は勇気をだして……

純鈴

おばぁちゃん!!

純鈴

大好きだよ!!!

……

遠くてよく見えなかったかけど でも確かにおばぁちゃんは笑っていた

鬼島

ほら、声出せたね

純鈴

あ…

鬼島

ね?勇気って大切だろ?

純鈴

うん…

あの世とこの世が繋がった世界

そしてあの世にあるとあるお店

【鬼神桜】そこは優しい鬼が住まう茶屋

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