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東京からはるか遠くに、その島はありました
歩いても一時間で島をぐるっと一周できるほどの大きさで、サトウキビや果物が主な産物です
小さいながらも、役場はもちろん、小学校や中学校もあります
今日は役場で、村長や村の人たちによる会議が行われています
議長
議長に呼ばれて、村長は立ち上がります
村長
村長
―どういうことだろう
村長の発言に、村の人たちが首をかしげています
彼らの様子を見ていた村長は、コホンと咳をしました
村長
村長
村長
村長
村の人たちはまだ村長の話がよくわからないようで彼をじっと見つめます
村長
村長
村長
村長
村長
なぜ村長が信号について話しているのか、この時になって村の人たちも気がつき始めました
顔を見合わせ、うんうんと、うなずいている人もいます
村長
村長
村いちばんの長老が、大きくうなずきました。
長老
うんうん
そうだな
村の人たちは信号を作ることに興味を持ち始めています
村長
マサオ
手をあげたのは、青年部のリーダー、マサオさんです
マサオ
マサオ
村長
村長
マサオ
村長
村長
マサオ
こうして、村の人たちの了承を取りつけ、村長が発案した「島に信号を設置する」案が認められました
ところが、いざ決めたものの島の予算には限りがあったり、先に道路の整備をしなければいけなかったりと、信号設置の計画はなかなか進みません
それでも、村長の熱意は消えることはなく、長い年月がかかりましたが、やっと実現したのです
しかしこの時、信号は必要ないものになっていました
この島にいた若者たちは皆島を離れ、島には老人しかいなくなっていたのでした