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俺は会場に入る
そこにはライトが照らされているステージと__
真っ暗な観客席があった。
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ここに来たはずなのに一瞬思考が止まる
頑張って笑顔を作る君。
ああ、そうだ
あの時もそうだった。
前に違和感を感じたとき。
笑っているのに目に光が入っていなくて
まるで誰も信じていないような。
でも君はさ、俺にはちゃんと話しかけてくれたよね。
ちゃんと笑ってくれた。
俺は拒否し続けてたけど。
ほんとにごめんね。
それとも自意識過剰かな?
俺にだけ、ちゃんと笑ってくれてたなんて。
いや、違う
俺の推しだもん。
最初で最後の俺の推し。
君にとって俺は光になれてたんだよね。
信じるからね。
そしたら俺はまた君の光にならなきゃ。
頑張って君に思いを届けなきゃ。
俺は袋からペンライトを取り出す。
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辺り一面に青い光が広がる。
みんながこっちを向く。
客
客
大丈夫、なんと言われても。
だから。だから。
ころちゃんに届きますように_。
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そう思っていた時だった
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小さな青い光が見えた。
この大きな会場の本当に奥の方に。
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理由は分からない。
僕の大切なものはもう何も無くなった。
そう思ったのに。
また僕の光になってくれるのは君なんだね
目をつぶって深呼吸をする。
この思いを全て君に。
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僕は大きな声で叫んだ。
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俺はペンライトを持ちながら耳を傾ける
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周りをちらっと見てみる。
みんなころちゃんの話に熱心に聞き入ってる。
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ころちゃんの歌声。
透き通るような声。
聞いたのはいつぶりだろう。
涙をこらえようとして俺は下を向く
ダメ、ころちゃんをちゃんと見なきゃ
そう思って上を向いたらそこは__
ころちゃんのために青く染った世界だった。
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俺はついついぼそっとつぶやく
みんな、ころちゃんの歌声に聞き入ってペンライトを振れていない
ただ青い光が静かにこの会場を埋めつくしている
ああ、俺は…この人を推せててよかった…
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その時だった
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俺は肩を掴まれて口を抑えられ
他の部屋に連れ込まれた
一瞬の出来事だった
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俺は返答に迷う
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ころちゃんがニコッと微笑む
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俺の耳元でそっとつぶやく
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ニヤッとする君に俺は言う
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彼はいきなり真顔になる
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彼は俺をチラチラ見る
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そこで彼はひざまずいて、銀テープで作られた指輪を俺に向ける
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そういうところほんと昔から変わってないなぁ…
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俺は息を吸う
俺が今までずっと言えなかったこと。
言いたいのに言えなかったこと。
やっと言う勇気が出たこと。
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ころちゃんが俺を勢いよく抱きしめる
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そう言っている君は泣いていた。
そして、俺も。
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数年後。
彼はアイドルをやめた。
今はもう一般人である。
やめる時に俺は聞いた。
「もうペンライトが見れなくなっちゃうんだよ?いいの?」
君は答えた。
「これからはいっぱい君が僕を照らしてくれるでしょ?」
俺はまた言った
「もちろん。」
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こんな調子で俺らは今、同棲している
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𝐹𝑖𝑛.
コメント
38件
ブクマとフォロー失礼します!
最高すぎる!!!!神作でした😭👏✨こんなにも素晴らしい作品を、ありがとうございました!
ほんともうまじ泣ける