太宰
ぜひ、ぜひ、ぜひ……。
太宰
芥川先生……。
太宰
俺はもう、死んだ方が良い人間でしょうか……?
太宰
考えても考えても、答えが出ない。
太宰
お司書さん、調速機……。いない、お司書さん、どこ?
太宰
ぜひ、ぜひ、ぜひ
織田作
太宰クン、しんどいん?
太宰
おだ、さく……。
太宰
俺、もう布団から1歩も出たくない……。
太宰
なんで、こんな辛くて死にたくて、どうしょうもないんだよ……!
太宰
うっ、ううっ、くるし、……。
織田作
太宰クン?さっきすーすー、寝とったから、調子ええもんかと……。
太宰
オダサク……。
太宰
ぜひ、ぜひ、ぜひ……!
織田作
どしたん、太宰クン。
太宰
ね、抱いて……。オダサク、酷くていいから。
織田作
そんなことしても、辛いばっかりやろ?
太宰
馬鹿っ……っううう〜っ!!
織田作
ちゅ……んちゅ
太宰
おだ、さく……っ!!
織田作
ええ子ええ子。ワシ、ずっと、抱いてたるさかい。
太宰
織田作のバカ……。
太宰
もう、みんな嫌いだ……。佐藤先生も、志賀直哉も……、みんな俺を酷評して……。
織田作
太宰クン、ひとつだけええかな……?
太宰
なに、オダサク。
織田作
太宰クンは、なんのために書いてるん?
太宰
俺は、いたたまれないから。俺のお道化も、サーヴィスも、全ては、一時の無常だから。
太宰
ぐす、ぐす。ぐす……。
太宰
俺は書くためには、何もいらないと思ってるよ……。
織田作
それは、自分自身も?
太宰
そうじゃない。自分自身だけは、必要だ。
太宰
どれだけ俺が、世間中毒でも、世間が俺を馬鹿にしても、書くことだけが、俺自身を俺自身だと認めてくれるんだ。
織田作
太宰クンは、きっと書けるけど、お司書はんは、どうかな……
織田作
なんや、泣いてましたで。スランプやて。
太宰
だから、来てくれないの?
織田作
…………多分。
織田作
死にたいのは、誰も一緒やなあって、言うてはりました。
太宰
うっ、うっ……。