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翌朝、雨は止んでいた

頭に鈍い痛みを感じながらも なんとか支度を済ませ病院に向かう

病院の玄関につくと すでにrnの姿はあった

rn

おはようございます、etちゃん、yanくんは......

et

もう目を覚まして、一般病棟に移ったって、お母さんからurに連絡があったって

面会もできるみたいだと続けて 伝えるとrnは安堵の息をついた

rn

今日、urさんは?

et

部活の試合で終わったら来るみたいだよ

rnはハッと表情を曇らせた

3年生のこの時期に、大きな怪我

yanくんがどれだけバスケが好きか rnも私もみんな知っている

rn

会いに行きましょう、yanくんに

間を置いて言ったrnに私は頷いた

部屋番号はyanくんに聞いて知っていた

大部屋でyanくんのベットは窓際だった

外から声をかけて返事を 聞いてからカーテンを開ける

yan

おー、来てくれたんだ

ベッドに横たわるyanくんは 明るく私たちを迎え入れた

yan

悪いね、休みの日に

rn

バカです、そんなこと言ってる場合ですか!?心配したんですよ!!

yan

だから悪いって

電動のベッドを操作して体を起こした yanくんの両腕は何箇所も処置されてる

後日手術が必要だと言われた左足は 固定された上に高い位置で吊るされてる

身を背けてしまいたくなるほど それは痛々しいものだった

et

大丈夫なの?頭とか打ってない?

yan

うん、事故のわりに怪我は軽く済んだんだ

yan

やっぱあれかな、生まれ持った運動神経のおかげかな

私の問いかけにyanくんは笑顔で答えた

yan

明日、朝の手術して......そこから回復状態にもよるけど若いし、一週間くらいで退院できるんじゃないかって

yan

来週には学校に復帰できると思う

笑顔を絶やさないyanくんは いつになく饒舌だった

rnも同じように感じていたと思うけど、そのことについて触れなかった

そして当たり障りのない会話を 繰り広げて15分経ったころ

rn

じゃあ、そろそろ帰りますね

ふいに、rnが切り出した

rn

入院生活が暇になったらいつでも連絡してくださいよ、いつでも来るので

カーテンの外に出ていくrnに続き私も 出て行こうとした時服の裾が引かれた

びっくりして振り返ると yanくんはそっぽを向いていた

yan

etさんは.....もうちょっといてよ

etさんは、って......え?

yanくんの言葉を聞いたrnが カーテンの外でにやにやと笑う

rn

etちゃん、あとはお願いしますよ

ふ、2人っきり.....!?

取り残された私が固まっていると yanくんの声が飛んできた

yan

座れば?ベッドの下に椅子があるはずだから

言われた通り椅子はベッドの下にあった

引いて、おずおずと腰を下ろす

yan

はは、これじゃ前と反対だね

et

.......そうだね

yan

昨日はごめんね、びっくりさせたよね

向かい合った彼はrnがいた時と 同じように明るい笑顔を見せた

yan

jppとttnを連れてきてくれたってお父さんから聞いた

yan

お迎えも行ってくれたし、お礼を言わなきゃいけないことばっかだよ

yan

ありがとう

et

あ、いや.....

yan

試合、活躍どころか試合会場にもいけないとかダサいよね

yan

俺から誘ったのに、ごめん

それが言いたくて私を引き止めたの?

だったら下手くそすぎるよyanくん

その笑顔が偽物だってすぐにわかる

et

無理して.......笑わないで

やっとの思いで紡いだ言葉に yanくんの笑顔が固まる

刹那、その顔がくしゃっと歪む

yan

俺の不注意だったから.......弱音を吐くのは違うと思ってて

et

.....うん

yan

でも本当は、気持ちに落ち合いつけられなくて

唇を強く噛んでいるその姿はnaさんの事を話してくれた時のように弱々しい

yan

なんで今なんだよ......っ

ガーゼの当てが割れた手が ぎゅっとシーツを掴む

肩を振るわせながら吐き出された本音

でもきっとこれは欠片でしかなくて

私の知らないところで努力を続けてきた yanくんはもっと悔しいんだと思う

やり場のないたくさんの感情を抱えて それでも涙を見せない姿が切なくて

yan

et、さん.......?

伸ばした腕の中でyanくんが 驚いたように声を漏らす

溢れる感情が抑えきれなくて さらに力を込めた

et

私が泣いているといつもこうしてくれたでしょ

包むから

あなたがそうしてくれたように

私の全てであなたのことを包み込むから

et

これなら顔、見えないから

et

我慢しないで泣いていいよ

彼の黒髪が私の頬をくすぐる

いつか柔らかそうだと思ったそれは 想像通りの柔らかさだった

yan

バカ、泣かねーよ

ふっと空気を震わせてyanくんが言う

yan

泣き虫な誰かさんとは違って、俺は男だからね

et

......悪かったね、泣き虫で

yan

誰も、etさんだとは言ってないでしょ

言ってるようなものじゃん.....

yanくんを抱きしめながらむくれてると 彼の手が遠慮がちに私の背中に回された

yan

ありがとね、etさん

et

......うん

yan

俺、頑張るよ、時間はかかるけど

yan

ちゃんもリハビリをすればまた走れるようになるみたいだし

yan

......バスケはまだ、終わりじゃないし

最後の言葉が掠れたのには 気づかないふりをした

現実と向き合って前に 進もうとするyanくんは強い

私はきっとyanくんの そんな所に憧れたんだ

流月

長らくお待たせいたしました!

流月

投稿できるようになりました!!

流月

これからどんどん上げていくのでぜひ見てください

流月

華水れゆのアカウントでも投稿はしていくのでぜひ見てくださいね!

流月

私がなぜあげられていなかったのかは詳しく私のサブ垢にてお話ししています。

流月

それでは本編へどうぞ!

余命半年の私が最後に紡いだ物語

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コメント

16

ユーザー

続き待ってますッ

ユーザー

本当に本当に待ってた!! この作品が好きすぎて沼🫠 流月が作る作品全て大好きです💞 相変わらずetさんが可愛すぎる💭

ユーザー

待ってました(* ˊ꒳ˋ*)

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