つまり、20万

昨日のポーカーとは 比べ物にならない額だ

早速、手順通り みんなに投票をしてもらう

次に俺らが3枚ずつ引いて、 手札を確認

ここは、多く持ってるグーでいいかな

合図と同時に、グーのカードを出す

相手は……おっ、チョキだ

相手のチップを2枚もらって、 俺の手持ちは52枚

……と、言いたいところだけど、 このままちまちまかけてても 面白くない

途端に、教室がざわつき始める

20枚……つまり、200万

流石の木之下さんも、 少し目を見開いて驚いていた

元の笑顔に戻って、そう言われる

また投票をしてもらって、手札を3枚

じゃんけん……ぽん

……っと、グーとグーであいこだ

あいこで……しょ

俺はチョキで、木之下さんは…… またグーだ

そう言って、 木之下さんにチップを回収される

これで、俺は32枚、 木之下さんは68枚になった

賭け金を設定して、また投票、 手札を取る

じゃんけん……ぽん

俺はパー、木之下さんはグー

俺が34枚 木之下さんが66枚

〜木之下 side〜

そう言って、 チップを20枚出した一ノ瀬君

それと同時に、クラスのみんなが 「おお……！」と小さく歓声をあげる

200万も負けたばかりだというのに、 この人は懲りていないのかしら

にこりと笑みを作って、楽しげに言う

先程と同じく、投票を終えて、 手札を3枚揃えた

わたくしはパーで、相手もパー

あいこで……しょ

わたくしはまたパーで、 一ノ瀬君は……グー

また一ノ瀬君のチップを20枚もらう

突然、黙り込んでしまった一ノ瀬君

笑いかけても尚、無言のまま

少し大きな声で相手を 煽るように言い放って、 思わず高笑いをする

にこりと笑って言った一ノ瀬君

……まだ、笑う余裕はあるようね

わたくしの残りチップは86枚

それに対して相手は14枚と、 かなり差がある

そんな風に小額ばかり賭けていても、 逆転は不可能よ──？