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美空
みんないなくなった
そして次の朝を迎える
村人もいない
案内人の愛とか言う人もいない
どこが理想郷だ
よく分からない世界に
何も出来ない状態で放り出されて
挙句の果てには落ちるなんて
理想郷でもなんでもない
愛が消えていったバスの停留所?
それだけは無傷で残っている
でも地面がまだあった頃と同じように
見えない壁があって進めない
美空
美空
美空
海晴が消えていったと噂された
その先が、こんな場所だったなんて
今頃元の世界に帰ってるんだろうか
それともここにいるのか
もしそうだとしても
すでに落ちている
美空
美空
ふとそんな不安が頭をよぎる
美空
現実では即死だろう
何故かこのゲームは水に浸かると
高い所から落ちても平気なのだ
本当は10メートル?
の高さからだとコンクリートくらい
そう言われているけれど……
美空
もしかしたら、
この世界で死んだら、
現実世界に帰れるかもしれない
それでも……
美空
美空
1度飛び降りようとしたのに
何故今更怖いのか
前は全て捨ててしまいたかったのに
なんで今更こわくなるんだろう
もう誰もいないのに………
美空
美空
前はそんな人いなかった
塞ぎ込んで、
一人ぼっちで、
お互いに自信を持って友達、
なんて言える人がいなかった
だから……
美空
美空
絶望感に襲われる
美空
美空
美空
どうでもいいような事に気がつく
気づいたことを誰かに話せやしないのに
美空
私は決断をしようとした
美空
美空
元の世界に戻れるかもしれない
安全な場所に繋がってるかもしれない
或いはこのまま死ぬかもしれない
そのどれでも
みんな同じ道を辿ってるはずだ
私が最後なだけ
そう思うと決心は固まった
美空
私は下の果てしない空間を見つめ
飛び降りた―
美空
苦しい。
息ができない。
ああ、このまま死ぬのか。
手足を必死に動かす
美空
抵抗がある
私は生きている?
真っ暗で何も見えない
正確には目が開けられない
美空
ここは……
水の中?
手足を動かしてみる
けれども
どっちが上か下かわからない
感覚も分からないまま必死でもがいた
美空
ふと光が瞼を通して見えた
そんな感じがした
手を伸ばして、
目を開けられないまま、
光のようなものが瞼の裏に見える方へ
必死に手を伸ばした―
光の方へ―