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第3話、すごく沁みました……🖤 蓮くんが少しずつSnow Manの一員になっていく過程が丁寧で、特に翔太との練習シーンが印象に残りました。「ひとりじゃないって最強だ」って言葉、そのまま蓮くんの心に届いたんだろうなって思うと胸が熱くなります。 でも最後の平衡感覚がおかしくなるシーンで、一気に不穏な空気に…。眼鏡をかけて安心する描写が切なくて、続きがめちゃくちゃ気になります。ゆそさん、この闇の入れ方が本当に上手いです…!
蓮
Snow Manの専用練習室。鏡張りの壁に囲まれた広い空間に、蓮の声が硬く響いた。
隣では、昨夜自分を拾い上げ、そして今日、強引にステージへと引き上げた渡辺翔太が、どこか誇らしげに、けれど少し気恥ずかしそうに腕を組んでいる。
昨日までの自分は、泥を啜るような絶望の中にいた。家族を失い、学校では名前さえ呼ばれず、ただ消えることだけを願っていた、崖っぷちにいた少年。
それが今、テレビで見ていた憧れのグループの真ん中に立っている。
蓮
深く、直角に頭を下げた蓮の視界に、それぞれの色を持ったスニーカーが並んでいるのが見えた。
沈黙が流れる。
このグループは、長年苦楽を共にしてきた6人に、ラウール、向井康二が追加された8人だった。
そしていま、自分が加わって9人、という風に形作られようとしていた。
照
最初に口を開いたのは、リーダーの岩本照だった。彫刻のような筋肉を纏った彼が、射抜くような鋭い視線を蓮に向ける。
照
照
照
もちろんそんなルールはない。
突き放すような冷たい言葉。しかし、蓮には分かった。
それは拒絶ではない。自分を対等な「プロ」として認めようとしているからこその、厳しい洗礼だと。
康二
そう言って割り込んできたのは、関西弁の向井康二だった。
蓮
康二
と太陽のような明るさで空気を変えた。
真都
と最年少のラウールが瞳を輝かせ
亮平
と優しく微笑む。
宮舘涼太は静かに頷き、深澤辰哉と佐久間大介は
「よし、歓迎会はラーメンだな!」と騒ぎ始めた。
一人ぼっちだった蓮の世界に、8人の個性が濁流のように流れ込んでくる。
俺、ここにいてもいいのかな
なんて思うようにもなっていた
それからの日々は、まさに戦場だった。
Snow Manのダンスは、素人同然の蓮にとって、あまりにも高度で過酷だった。
深夜、メンバーが去った後の練習室。蓮は一人、何度も何度も同じステップを繰り返していた。
蓮
Tシャツは絞れるほど汗を吸い、足の指の皮は剥けて血が滲んでいる。けれど、蓮は止まらなかった。
ここで諦めれば、またあの雨の日の、何者でもなかった自分に逆戻りだ。自分を見つけてくれた翔太の顔に泥を塗るわけにはいかない。
翔太
不意に、練習室のドアが開いた。
入ってきたのは、コンビニの袋を提げた翔太だった。彼は無造作にスポーツドリンクを蓮に放り投げた。
蓮
翔太
翔太
口では毒を吐きながらも、翔太はジャケットを脱ぎ、蓮の隣に立った。
翔太
蓮
鏡越しに、二人の姿が並ぶ。 プロとして光り輝く青の翔太と、必死に食らいつく黒の蓮。
ふいに蓮は口に出していた
蓮
蓮
翔太
翔太は黙って聞いている。
蓮はドリンクを握りしめ、鏡の中の自分を見つめた。
蓮
翔太は一瞬、戸惑ったように目を逸らした。
けれど、すぐに蓮の頭をごしごしと乱暴に撫でた。
翔太
翔太
蓮
その時、練習室のドアが勢いよく開いた。
大介
佐久間の叫び声と共に、残りのメンバー全員がなだれ込んできた。
翔太
辰哉
岩本が「よし、全員で合わせるぞ」と音楽をかける。 夜中の3時。誰もいないビルの一室で、9人の影がひとつになって踊る。
自分を見つけてくれたことへの感謝。そして、この場所を守り抜くという誓い。
蓮は、世界で一番幸せな「さようなら(過去の自分との別れ)」を告げたのだ。
数年後。 Snow Manの快進撃は止まらなかった。
蓮の人気は瞬く間にトップへと昇り詰め、彼らは時代の寵児となった。
すべてが順調。人生で最も輝かしい時間。
しかし、運命の歯車は音も立てずに狂い始める。
ある日の収録後。
蓮は楽屋のソファに座ろうとして、不自然に膝をついた。
蓮
一瞬、平衡感覚が消えた。目の前の景色がぐにゃりと歪み、数秒間、自分がどこにいるのか分からなくなった。
亮平
一緒に楽屋にいた阿部が心配そうに声をかける。
蓮
蓮は無理に笑顔を作った。 けれど、心臓が嫌な鼓動を刻んでいる。
昨日覚えたはずの、新曲のラップ詞が。 一番よく話しているはずの、メンバーの愛称が。
時折、記憶の引き出しにロックがかかったように、引き出せなくなる。
蓮
蓮は震える手で、カバンの中から眼鏡を取り出した。
あの日、翔太に拾われた時にかけていた、あの暗い色の眼鏡。 それをかけると、少しだけ安心した。
自分の頭の中に、どろりとした黒い影が広がり始めていることに、蓮はまだ、気づかないふりをしていた。
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