この作品はいかがでしたか?
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─今更思い出しても意味ないのに。
あの時の記憶が鮮明に蘇る。
めい
めい
めい
目眩がした。
あいつの声。耳鳴り。シーツの擦れる音。
あるものないものごちゃごちゃになって、
僕を苦しめる。
めい
めい
「助けて」。
その一心で、ひたすらにもがき続ける。
めい
棚のペン立てに目が着く。
立てられていたのは、白いカッター。
めい
僕はこれから抜け出そうと、
それに手を伸ばす。
くろ
めい
めい
めい
気づけなかった自分が悔しい。
メイに駆け寄って、せめてもの償いのつもりで抱き締める。
めい
くろ
くろ
くろ
めい
めい
くろ
くろ
めい
めい
めい
メイの目が潤む。
涙が零れ落ちて、傷の血が滲んだ。
めい
くろ
くろ
めい
めい
……視界が霞んでしまう。
めい
めい
ただただ、自分が情けなかった。
辛いのは向こうのはず、なのに。
俺が泣いてどうするんだ。
めい
めい
めい
くろ
メイは涙を拭いて、こちらを見つめる。
そのまま俺の手を握って、にぱ、と笑ってくれた。
めい
めい
めい
くろ
くろ
めい
めい
めい
─ああ、
この人には、いつまでも色褪せない何かを纏っているんだ。
それはいつでもきらめいて、
俺の視界を鮮やかに色付ける。
くろ
めい
めい
くろ
くろ
めい
くろ
くろ
めい
めい
めい
くろ
くろ
そっと、傷口の跡にキスをした。
メイは硬直したあとに、
ぼふん、とかわいらしい顔を真っ赤にした。
めい
くろ
めい
fin
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ぐふっ