テラーノベル
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雨の日は、嫌いだった
別に、濡れるのが嫌な訳では無い
傘を差して歩くのも、雨上がりの道路に街の明かりが反射するのを見るのも、嫌いではなかった。
ただ雨の日になると、無心に空を見上げてしまう
そして思うのだ
──何時になったら晴れるんやろう
福岡
後ろから声がした
振り返ると、福岡が立っていた
いつものように、落ち着いた顔(?)をしていた
大阪
福岡
福岡はそれ以上何も言わなかった
それが少しだけありがたいと思った
最近、大阪は一人でよくいる
東京も、愛知も、福岡も、京都も、兵庫も、北海道も
みーんな忙しい
それぞれの場所で毎日生きている
だから大阪も平気なフリをした
大阪
福岡
そう言って大阪は歩き出した
雨はまだ降っていた
*
翌朝
大阪はいつもより早く目を覚ました
窓の外は薄暗かった
カーテンを開けても、空は灰色
大阪
小さく呟いて窓を閉める
最近、何をしていても楽しくない
みんなと話してる時には普通に笑えてる
冗談を言えば福岡が笑う
愛知が真面目な顔でツッコむ
東京が小さく笑う
北海道は静かに話を聞いてる
京都は何も言わず何となく察してくれてる
それなのに、
1人になると急に静かになる
胸の奥に、ぽっかり穴が空いたみたいだった
大阪
答えてくれる人はいない
大阪は制服の袖を整えて家を出た
*
その日の帰り道
雨はやんでいた
大阪は近くの駅で立ち止まった
西の空が少し赤かった
大阪
雲の隙間から夕日が覗いている
ほんの少しだけ
ほんの少しだけ、空が明るい
福岡
また、福岡だった
大阪
福岡
大阪
福岡
大阪
大阪は笑った
しばらく何も話さなかった
でも、不思議と嫌ではなかった
大阪
福岡
大阪
福岡は少し考える
福岡
大阪
福岡
大阪は苦笑いした
福岡
福岡が続ける
福岡
大阪は黙った
そして、もう一度空を見上げた
西の空にはまだ雲が残っている
大阪
大阪は少し笑った
大阪
夕日が雲の向こうへ沈んでいく
空はまた暗くなった
けれど大阪は、もう俯かなかった。
いつか
西の空が晴れるまで
何度でもこの空を見あげようと思った
にここ
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コメント
1件
うわ、これすごく好きです。大阪と福岡の会話、何気ないのに「分かってる」空気が伝わってきて。雨の日に見上げる空の描写とか、一人になったときの静けさとか、そういう「何も起きてないようで実は大事なとこ」をちゃんと拾ってるのが良いなって思いました。福岡が「わからんわ」って言うところ、あえて答えを出さない優しさがにじんでて、じんわりきました。これからどうなっていくんだろう。続きすごく気になります。