俺と灯理はこの日
光くんの家に来ていた。
ちょうどお互いの仕事も休みで、何もやることがなかった。
チャイムを押すと、すぐにお母さんが出てきた。
光の母
光の母
翔
光の母
灯理
リビングには光くんの仏壇があって、静かな雰囲気に包まれていた。
光の母
光の母
光の母
お母さんは、俺たちに1冊の小さいノートを手渡してきた。
Diary
手書きで、しかも筆記体で書かれていた。
俺と灯理は顔を見合わせて、ゆっくりページをめくった。
8月20日(火)
いつ死ぬかなんて分からない。
もう肺に転移した。
もうサッカーなんて遊びできない。
俺はただ
ここで死ぬのを待つだけなんだ
9月17日(火)
ついに、八つ当たりしてしまった。
したくてしたわけじゃない。
ムカついた。
何を理解できるんだ。
俺の辛さ、苦しさ。
お前たちはまだまだ生きれるんだよ……
俺と灯理は、絶句した。
灯理
灯理
灯理
灯理
でも、次のページから
雰囲気が急に変わった。
9月30日(月)
初めて、こんな理解者に会った。
俺を、病人としてじゃなくて、1人の人間として受け入れてくれる。
すごい優しい。
すごい好きだ。
三浦 灯理さん。
あなたのことを、もっと知りたいと思ってもいいですか?
10月2日(水)
今日、灯理の婚約者だと名乗る人に会った。
宮田 翔さん。
灯理と同い年くらいの人。
正直、あまり気に入らないけど…
俺が今すべきことが、分からない。
10月7日(月)
今日、宮田さんに気持ちを打ち明けた。
灯理のことを、幸せにするなら、
俺は灯理を渡す。
灯理には…たぶん
俺よりも宮田さんの方が合う。
自分の気持ちを抑えてないって言ったら嘘になるけど……
10月17日(木)
だいぶ、体が苦しくなってきた。
ここに、俺の気持ちを、ぶつけようと思う。
灯理には、幸せになってもらいたい。
相手は…
誰でもいい。
俺以外なら。
でも、もう少しだけ。
俺の生きてる時間を一緒に過ごしてほしい。
灯理。
幸せになれよ。
そこで、日記は終わっていた。
灯理
灯理
隣て泣いている灯理の背中を、優しくさすってあげた。
灯理
灯理
灯理
灯理
回想
光
光
灯理
灯理
翔
灯理
光の母
光の母
光の母
光の母
光の母
光の母
灯理は大切に、ノートを抱きしめた。
灯理
光くんが残した意志は、俺がちゃんと引き継ぐよ。
俺が灯理を、ちゃんと幸せにする。
光くんは、ゆっくり休んで。
俺からも……
灯理を愛してくれてありがとう…
来夢
来夢
いむ
いむ
来夢
来夢
いむ
いむ
来夢
来夢
いむ
来夢
いむ
来夢
いむ
コメント
1件
光くんいい人すぎる…(泣)