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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
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第99話 朝影と、来年の春
朝の光は、やけにやさしかった。
カーテンの隙間から差し込む淡い日差しが、部屋の床に細長い帯を描いている。
こさめは、その光の中で、ゆっくりと意識を浮かび上がらせた。
こさめ
小さく伸びをして、欠伸をひとつ。
いつもと変わらない朝――の、はずだった。
こさめの影
すぐ隣で、声がした。
こさめ
思わず肩が跳ね、布団を掴む。
心臓が一拍遅れて、どくん、と強く鳴った。
視線を向けた先。
そこには、自分と同じ形をした“もう一人”が、壁にもたれて立っていた。
黒い輪郭。
けれど、昨日までとは違う。
輪郭は相変わらず影の色をしているのに、その表情は柔らかく、どこか困ったようだった。
こさめの影
苦笑するような声。
こさめ
こさめは胸を押さえながら、息を整える。
こさめ
影は一瞬きょとんとし、それから納得したように小さく頷いた。
こさめの影
こさめの影
少し間を置いて、影は視線を逸らしながら続ける。
こさめの影
こさめ
こさめは首を傾げた。
こさめの影
こさめの影
自嘲気味な言い方。
その声音に、こさめは目を瞬かせたあと、ふっと笑った。
こさめ
布団の上に座り直し、影を見る。
こさめ
影は一瞬だけ真剣な顔をしてから、はっきりと頷いた。
こさめの影
その返事は、驚くほど真っ直ぐだった。
――その時。
コンコン、と控えめなノック音。
いるま
いるま
聞き慣れた低い声。
いるまだ。
こさめ
こさめ
ベッドの上から返事をすると、ドアが少しだけ開いた。
視線は、こさめだけを捉えている。
影の姿は、いるまには見えていないらしい。
いるま
言葉を選ぶように、いるまは少し口ごもる。
それを察して、こさめはあっけらかんと言った。
こさめ
こさめ
いるま
一瞬、素で驚いた顔。
すぐに状況を理解しようとするように、いるまは眉を寄せた。
――いるまでさえ、影と折り合いをつけるのには、かなりの時間がかかった。
それを、こさめは、たった一晩でやってのけたのだ。
いるま
小さく息を吐いて、苦笑する。
いるま
影を“人”と呼んでいいのかは怪しいが、それでも、いるまは深く追及しなかった。
いるま
いるま
それだけ言って、少し話題を変える。
いるま
こさめ
即答だった。
目を輝かせるこさめに、いるまは肩をすくめる。
いるま
いるま
そう言って、ドアを閉めた。
部屋に残されたこさめは、手早く支度を始める。
その様子を、影は静かに見ていた。
ドアノブに手をかけたところで、ふと振り返る。
こさめ
影は少し考えるように顎に手を当てた。
こさめの影
一瞬の間。
こさめの影
小さく首を振る。
こさめ
こさめはあっさり受け止めた。
こさめ
そう言って部屋を出る。
――その背中を、影はしばらく見送っていた。
リビングには、油の跳ねる音と、香ばしい匂いが満ちていた。
エプロン姿のすちが、フライパンを器用に振っている。
すち
すち
気づいたすちが笑顔で声をかける。
すち
こさめ
こさめ
こさめは頷き、鼻をひくりと動かした。
こさめ
すち
すぐに、皿がテーブルに並ぶ。
目玉焼きと、ベーコン。
湯気が立ち上り、食欲を刺激する。
こさめ
手を合わせて一口。
こさめ
思わず口から零れる。
すちは照れくさそうに頬をかき、「えへへ」とはにかんだ。
胸の奥に、あたたかいものが灯る。
――こんな日常を、壊したくない。
午後。
こさめは自室で作業をしていた。
ヘッドホンをつけ、画面に向かい、指先を動かす。
キーボードの音が、一定のリズムで部屋に響く。
集中が途切れ、一息ついたその時。
こさめの影
後ろから、感心したような声。
振り向くと、影が覗き込んでいた。
こさめ
こさめは少し得意げに胸を張る。
こさめ
こさめ
軽い口調。
けれど、その後――ぽつりと、声が落ちた。
こさめ
影に向けた言葉であり、独り言でもあった。
こさめ
視線を、画面から外す。
こさめ
影は、すぐには答えなかった。
少しだけ間を置いてから、静かに口を開く。
こさめの影
こさめの目が見開かれる。
こさめの影
こさめ
思わず、椅子の上で身を乗り出した。
こさめ
こさめ
影は、ゆっくりと頷く。
こさめの影
淡々と、でも丁寧に言葉を紡ぐ。
こさめの影
こさめの影
こさめの影
こさめは、息を呑んで聞いていた。
こさめの影
こさめの影
影は、少しだけ声を落とす。
こさめの影
一拍。
こさめの影
こさめ
こさめは、小さく呟いた。
影は、黙って頷く。
こさめの影
こさめの影
そこで、影は口を閉ざした。
――友達になれたのに、すぐに消える。
そんなことを、今は言いたくなかった。
こさめの影
こさめの影
こさめの影
部屋に、静寂が落ちる。
こさめは、ゆっくりと息を吸った。
そして、にこっと笑う。
こさめ
その笑顔は、少しだけ寂しそうで――でも、前を向いていた。
こさめ
影は、驚いたように目を見開く。
こさめ
その言葉に、影は何も言えなかった。
ただ、小さく微笑んで、隣に立つ。
窓の外では、夏の空が、静かに広がっていた。
――来年の春まで、まだ時間はある。
それを、ふたりは、ちゃんと知っていた。
第99話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡270
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コメント
3件
さすが☔️ちゃん☆((( それぞれの誕生日に記憶が戻るって設定つくるの天才すぎない??? 投稿ありがとうございます!!続き楽しみにしてます!!!
毎回語彙力が消えるくらいの素敵な作品ありがとうございます……!!!
そりゃいるまくんでも驚くわな、こさちゃんの行動力えぐいw なんで空虚が存在してるんだ??? 続き待ってます!