翼
りゅうー?どこに隠れてるのー??

近くから聞こえるその声に、龍斗は必死に口を塞いだ。
翼
最近構ってあげられなかったから、隠れんぼしたくなっちゃったのかな?

翼
でも、勝手にお部屋から出ちゃダメでしょ?

翼
いけないことしたらお仕置きだって、何回も身体に教えたはずだけど...

翼
また教え直さないとかなー、

翼
沢山聞きたいこともあるし、時間かけて頑張って考えたみたいだけど、すぐ見つけちゃうね。

翼
りゅうの首についてるその首輪...ただの首輪だと思った??

翼
実は小さい針が付いてて、ボタンを押したらその針からすっごく濃い媚薬が出てくるんだよ。

翼
試してみよっか。

翼はポケットからリモコンを取り出し、赤いスイッチを押した。
龍斗
ぃッ、!

龍斗は首に一瞬の痛みを感じ、思わず声をあげてしまった。
翼
耐えられなくなったら出てきていいからね。

バレてなくて良かった―、そう安堵していたのも束の間、
龍斗
はぁ、はぁ...

龍斗は口を抑えていたが、それでも声が漏れ出てしまうくらい、もうとっくに限界を超えていた。
翼
頑張るね 笑
そんなに隠れんぼに勝ちたいの??
いや、俺から逃げたいのか。

翼
龍斗が無駄に頑張ってて可哀想だから、教えてあげる。

翼
どう頑張っても外には出れないよ。

翼
どうやって部屋から出れたのかは分かんないけど、部屋から出るのに必死でどうやって外に出るのかまでは目を向けてなかったみたいだね。

翼
この家から出るには、俺の全身をスキャンしないとなんだ。

翼
そして、万が一家から出れたとしても、この家の場所は俺しか知らないから誰も助けに来れないし、『1度入ったものは出られない』って言われてる山の奥にあるから、道に迷って飢え死に...が妥当だろうね。

翼
ほら、出てくる気になった?笑

大きな音と共にクローゼットから出てきたのは、顔を真っ赤にし、過呼吸になっている龍斗だった。
龍斗
はぁッ、はぁッ、ぅえッ、?

翼
やーっとでてきた。

クローゼットと目の前には、椅子に座りながらコーヒーを優雅に飲んでいる翼がいた。
翼
バレバレなのに、頑張って我慢してたりゅう、かわいかったよ。

龍斗は、全て翼の手の内なのかと思い、絶望から自然と涙が溢れ出てしまった。
翼
そんな可愛い顔で泣かれても、お仕置は待ってるよ。

翼
ただでさえりゅうは敏感なのに、今ヤったらどんなんになっちゃうんだろう。

龍斗
やッ、やだッ、、

龍斗はこの後起きることを想像し、フラフラになりながら少しでも逃げようとしたが、すぐに翼に捕まってしまった。
翼
何度も僕から逃げようとするなんて悪い子だね。

翼
これはとっておきのお仕置き、してあげなきゃね。
