蓮
麦畑は荒れて、人なく、屍累々なり。
プレアドの声を聞きたり。
"もうすぐじゃぞ" されど姿見えず。
されど声聞こえぬ。
されど、確かに感じたり。
黄昏の碑文(ミアの手紙)
汝が手をとりし時、汝が瞳を見たり。
汝が名を知り得ればこそ、我が道は拓けた。
なれば、汝が名を問わん。
汝が言葉には、力あること疑いなし。
汝が存在は、我が魂、常に寄り添いてあり。
されど、汝が名を聞けねば、我、心乱れ、 汝が名を忘れ去りてあらむ。
汝が名を問うこと許されず 汝の名は、すでに知られぬものと知れ 汝、何ぞ知る? 黄昏の碑文(ワイズマン添付ファイル)
大いなる力もちて、汝が名を記さん。
汝が姿、鏡の中に見出だしたまへり。
汝が名、すなわち汝が影を知るべし。
汝、今ここに現れ給え。
汝が影の形、汝が名とならびて浮かぶべし。
汝、何を欲するか? 汝が影の形、汝が名にあらで。
汝が名の形、汝が影にはあらじ。
汝が名は何か? 汝が名は既に失われぬ。
汝が名は、汝が記憶の中にあり。
汝が影、汝が心に刻み込まれてある。
汝、何を欲するか? 汝が求めるは何か? 己が名すら忘れたか。
ならば問おう。
汝の名は、アルケ・ハオカー。
汝が求めは何ぞや? 黄昏の碑文(ワイズマン添付)
古き物語を語ろう。
それは、かつてあった出来事である。
遙かな昔、一人の王がいた。
彼の者は、この世にあり得べからざる力を持っていた。
故に彼は恐れられ、疎まれた。
人は彼をこう呼んだ。
神の子……と。
そして、王は討たれ、国は滅びた。
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